今年1月に誕生したアメリカのドナルド・トランプ政権による影響が、WRC世界ラリー選手権のラリー・メキシコにも及んでいる。
トランプ大統領は、選挙戦期間中から移民対策強化を表明。大統領就任後もアメリカとメキシコ国境沿いに壁を建築するよう命令するなどの対策に乗り出している。
こういった政策を受けて、メキシコ通貨のペソは対ドル為替で急落しており、メキシコ経済にも大きな影響が出ている。
ラリー・メキシコは開催に必要な備品などをアメリカからの輸入に頼っており、この為替変動による余波が直撃。
加えて、大会のメインスポンサーだったフォルクスワーゲンがシリーズから撤退したことも重なり、現地プロモーターは財政的リスクを抱えているとみられる。
ラリー・メキシコのディレクターを務めるパトリック・サバビルは今後も同大会を開催していくと語ったものの、トランプ政権による影響は否定できないと語った。
「トランプ大統領の政策によって、たった1週間でメキシコ・ペソは(対ドル為替で)40%も下落した」とサバビル。
「大会運営に必要な備品はすべてアメリカから仕入れている。その価格が急騰したんだ」
「そもそも、我々は開催3カ月前から危機にさらされていた。フォルクスワーゲンがスポンサーを退くと知った時から、新たな契約を模索していた」
「最終的には政府から支援を受けた。トラブルを抱えている私たちに手を差し伸べてくれたんだよ」
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