7月14日、ブラジルのアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス・サーキット)でWEC世界耐久選手権2024年シーズン第5戦『ロレックス・サンパウロ6時間』の決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタ(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)が今季初の総合優勝を飾り、7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組)が総合4位で完走を果たした。

 2012年にトヨタがハイブリッドのレースカーによる初優勝を飾ったこの地で、ディフェンディングチャンピオンのブエミ、ハートレー、平川が乗る8号車は、7万3000人ものブラジルのファンの前で今季初勝利のチェッカーを受けた。

 可夢偉、コンウェイ、デ・フリースが乗る7号車は、ポールポジションスタートから勝利を目指しレース前半は首位を守ったが、技術的なトラブルによる長いピット作業で順位を落とした。しかし、戦列復帰後の後半には怒涛の追い上げを見せて4位フィニッシュ。貴重な12ポイントを獲得している。

 この週末ではもっとも暖かい気候のもと、2台のトヨタGR010ハイブリッドは、2023年11月のバーレーン戦以来となるフロントロウスタートから、序盤戦をリードした。

2024年WEC第5戦サンパウロ6時間
フロントロウからスタートした2台のトヨタGR010ハイブリッド 2024年WEC第5戦サンパウロ6時間

 先頭の7号車のコンウェイはクリーンなスタートを決めると、バトルを展開する後続との差を広げる。2番手の8号車ハートレーは、スタート直後の1コーナーでコースオフを喫するもポジションを守り、後続勢の追撃を抑える役割に徹した。

 タイヤの摩耗が激しいインテルラゴスの路面でも、首位のコンウェイはミディアムタイヤを温存しながら着実な周回を重ね、1時間後には11秒のリードを築いた。

 しかし、フルコースイエロー時の速度違反でドライブスルーペナルティを科され、アドバンテージは帳消しに。さらに、2時間を過ぎたところでトラブルに見舞われ、燃料系に関するコントロールユニットの修復のために長いピット作業を余儀なくされてしまった。修復を終えた7号車にはデ・フリースが乗り込み、18番手まで順位を落としてコースに復帰する。

 このトラブルにより、チームの勝利への挑戦権は8号車へと託された。平川へとドライバーチェンジしたばかりの8号車はすぐに首位に浮上すると、レース折り返しの時点で2番手以下との差を30秒にまで拡大。平川は次のピットでタイヤを右側のみ新品に交換し、タイヤ温度と摩耗をコントロールする戦略に出る。

8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)
総合優勝を飾った8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2024年WEC第5戦サンパウロ6時間

 インテルラゴスでの初レースながら好ペースでの走行を見せた平川は、リードを40秒以上に広げ、ラストスティントをブエミに託す。7号車もデ・フリースの健闘により順位を取り戻し、最終スティントは可夢偉が乗り込んだ。

 ブエミは最後まで安定したペースで首位を堅守し、最終的に2番手の6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)に1分8秒の差をつけてトップチェッカーを受けた。

 7号車は可夢偉が猛烈な追い上げを見せ、51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)を猛追。チェッカーまで残り5分という最終盤で見事オーバーテイクを決め、4位でチェッカーを受けた。

 WECの次戦は8月30日から9月1日にかけてアメリカ・テキサス州のオースティンに位置するサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)が舞台となる第6戦『ローン・スター・ル・マン』。WEC第5戦の決勝を終えた6名のTGRドライバーのコメントは、以下のとおりだ。

7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)
7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2024年WEC第5戦サンパウロ6時間

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