6月11日、フランスのル・マン24時間サーキット（サルト・サーキット）で、WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースの、レースウイークの走行が始まった。現地14時から3時間にわたって行われたフリープラクティス1（FP1）では、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAの38号車キャデラックVシリーズ.R（アール・バンバー／セバスチャン・ブルデー／ジェンソン・バトン組）がトップタイムを記録した。

　8日日曜に行われたテストデーから3日、62台のマシンたちがふたたびブガッティ・サーキットと周囲の公道区間をつなげた1周13.626kmのコースへと繰り出していく。この日のル・マンはテストデーよりもかなり暑く、14時のセッション開始時点で気温は28度まで上昇している。

　序盤のアタックシミュレーションと思われる走行では、まずは7号車トヨタGR010ハイブリッド（トヨタGAZOO Racing）の小林可夢偉が3分26秒271で首位、これを50号車フェラーリ499P（フェラーリAFコルセ）のアントニオ・フォコが3分25秒302で上回り、暫定首位に立つ。トヨタは8号車のブレンドン・ハートレーも3分25秒702で2番手に飛び込む。

　その他、51号車フェラーリ、6号車ポルシェ963（ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ）、20号車BMW Mハイブリッド V8（BMW Mチーム WRT）らもアタックを行い上位に進出するが、開始8分30秒というところでコースオフ車両の撤去のためフルコースイエローが導入。解除後には、101号車キャデラックVシリーズ.R（キャデラックWTR）が4番手へとポジションを上げる。

　1時間過ぎ、LMGT3クラスのアイアン・リンクス63号車メルセデスAMG GT3エボをドライブするスティーブン・グローブが1コーナーへの進入で右側のウォールに激しくクラッシュしたようで、これにより赤旗が提示された。

🔴Red flag 🔴

Off-track excursion for #63 Mercedes @IronLynx_ and needs to be recovered.

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— 24 Hours of Le Mans (@24hoursoflemans) June 11, 2025

　1時間30分の折り返しを前に、セッションは再開。すると6号車ポルシェのケビン・エストーレ、5号車ポルシェのジュリアン・アンドラウアーが自己ベストを縮め、それぞれ2番手、4番手へとポジションを上げた。ほどなくして2回目の赤旗が導入され、比較的短時間でふたたびグリーンへと戻った。

　残り30分に入る直前、38号車キャデラックが、地元出身ブルデーのドライビングにより、3分25秒148を記録し、タイミングモニター最上段に躍り出る。

　最終盤に入り、12号車キャデラックのウィル・スティーブンスが6番手へとポジションアップ。このほかプロトンの99号車ポルシェ、35号車アルピーヌA424（アルピーヌ・エンデュランス・チーム）らがベストタイムを更新してトップ10圏内へと進出、セッションはチェッカーとなった。

　これにより、FP1トップタイムは38号車キャデラック。50号車フェラーリ、6号車ポルシェ、8号車トヨタ、5号車ポルシェ、12号車キャデラックまでがトップ6に。7号車トヨタは11番手でこのセッションを終えた。

　LMP2クラスでは、RLR Mスポーツの16号車オレカ07・ギブソンが首位。インターユーロポル・コンペティションの43号車オレカ、アルガルベ・プロ・レーシングの45号車オレカが続いた。

　LMGT3クラスでは、78号車レクサスRC F GT3（アコーディスASPチーム）が首位。54号車フェラーリ296 LMGT3（ビスタAFコルセ）、10号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3（レーシング・スピリット・オブ・レマン）と続くトップ3となった。

　木村武史の57号車フェラーリ296 GT3（ケッセル・レーシング）はクラス8番手、佐藤万璃音の95号車マクラーレン720S GT3 Evoはクラス20番手となっている。

　現地ではこのあと18時45分（日本時間12日1時45分）より、予選セッションが行われる。

■2025年WEC世界耐久選手権第4戦『第93回ル・マン24時間レース』
フリープラクティス1結果