9月7日、アメリカ・テキサス州オースティンに位置するサーキット・オブ・ジ・アメリカズでWEC世界耐久選手権第6戦『ローンスター・ル・マン』の決勝レースが行われ、雨により大荒れの展開となるなか、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963(ケビン・エストーレ/ローレンス・ファントール/マット・キャンベル)が2025シーズン初優勝を手にした。
最終ラップまで大混戦の上位争いが続いたLMGT3クラスは、ユナイテッド・オートスポーツの95号車マクラーレン720S GT3エボ(ダレン・ラーン/ショーン・ゲラエル/佐藤万璃音)が優勝。佐藤はWECでの初優勝を手にしている。
現地時間13時に開始された6時間の決勝レースは、降雨の影響でセーフティカー(SC)スタートに。その後も赤旗中断、リスタート後にはクラッシュも発生と、大荒れの展開に。後半に入っても雨が降り続くなかでレースが行われたが、次第に雨量が減り、路面が乾いていくコンディションとなったことが、さらに多くのアクションを生むこととなった。
※レース前半レポートはこちら(https://www.as-web.jp/sports-car/1248238)
■リスタートで6号車ポルシェが首位に立つ
レース折り返しとなる3時間経過直後、99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)のコースオフのため導入されていたバーチャルセーフティカー(VSC)〜SCから、レースはリスタートを迎えた。依然ヘビーウエットの状態で、とくに直線区間では水煙も多く巻き上がっている。51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)を先頭に、6号車ポルシェ963、50号車フェラーリ、5号車ポルシェ、83号車フェラーリ(AFコルセ)と続く上位陣のオーダーだ。
雨量の多い状況のなか、8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタGAZOO Racing)の平川亮は33号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)との接触からスピンしコースオフを喫する。すぐにレースへと復帰するが、この時点で8号車は14番手と苦しい状況。33号車には後にペナルティが科せられている。
このあとも4時間目のうちに38号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)のセバスチャン・ブルデー、7号車トヨタのホセ・マリア・ロペス、15号車BMW Mハイブリッド V8(BMW Mチーム WRT)のラファエレ・マルチェッロ、5号車ポルシェのマシュー・ジャミネ、前半のクラッシュで大きく順位を下げていた36号車アルピーヌA424のジュール・グーノンらが、それぞれ単独スピン。いずれもウォールにヒットすることなく戦列へは復帰しているものの、マシンコントロールは極めて難しいコンディションとなっているようだ。
このあと、4時間を経過する直前にはマルチェッロ、ロペスはそれぞれ再度コースオフを喫する。ロペスは直後にも3度目のコースオフを喫し、マシンがターン13のグラベルに埋まってしまう。これによりVSCが導入されると、各車はルーティンピットへと飛び込んだ。グラベルから救出された7号車トヨタも、2周遅れとなって戦列に復帰。ドライバーは小林可夢偉へと交代している。
各車のピット作業が終了したところでSCへと移行され、ギャップは消滅。首位51号車フェラーリはアレッサンドロ・ピエール・グイディ、2番手の6号車ポルシェはケビン・エストーレ、3番手50号車フェラーリはミゲル・モリーナ、5号車ポルシェはミカエル・クリステンセンへとドライバーチェンジを行い、4時間15分経過時点でリスタートを迎えた。
ここで6号車ポルシェがターン1で51号車フェラーリのインに飛び込みトップに浮上、一方のピエール・グイディはパンクを訴え緊急ピットへ。51号車フェラーリは、13番手にまで順位を下げてしまった。
その後方では、12号車キャデラックと007号車アストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム)の5番手争いも勃発。一度は007号車のハリー・ティンクネルが前に出るが、12号車キャデラックのアレックス・リンが抜き返していく。リンはこのあと、前を走る83号車フェラーリのロバート・クビサに仕掛けていき、ターン12への飛び込みで4番手を奪うと、さらに5号車ポルシェのクリステンセンもパス。一気に表彰台圏内へと順位を上げた。
この直後、87号車レクサスRC F GT3がガードレールへとクラッシュしたことにより、SCが導入される。時を同じくして、33号車シボレーも右リヤのサスペンションを破損し、コース脇にストップした。
■最終盤はスリックに交換するマシンも
雨が弱まり空もやや明るくなるなか、残り1時間18分ほどのところでリスタート。12号車キャデラックのリンは2番手のフェラーリ50号車を相変わらず攻め立てていくが、LMGT3同士の接触の影響により、ほどなくしてフルコースイエロー(FCY)導入となる。
残り1時間4分でFCYが解除されると、混戦となっていた5番手争いの中から、83号車フェラーリが順位を下げていきポイント圏外へ。同時に50号車フェラーリと12号車キャデラックの2番手争いは接近戦となる。
最後の1時間に入ると、水煙の量も減ってラップタイムも向上。すると94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)のストフェル・バンドーンがペースを上げ、5号車ポルシェをオーバーテイク。4番手に順位を上げる。直後には93号車プジョーも5号車ポルシェをかわして5番手へと進出した。
その背後では、パンクによるイレギュラーピットのあった51号車フェラーリが猛然と追い上げてきており、残り42分の時点で5号車ポルシェをかわして5番手にまで順位を回復してきた。
上位勢では12号車キャデラックがいち早く最後のルーティンピットへ。ラップダウンとなっている15号車BMWは、ここでスリックタイヤを装着するという戦略に出るが、すぐにウエットタイヤへと再交換を行っている。
残り36分、007号車アストンマーティンがピットアウト直後にターン1手前でストップ。この撤去のために数分後にFCYが導入される。再開されると、一時順位を下げていた83号車フェラーリが好ダッシュを見せ、8号車トヨタをパス、8番手へと順位を上げた。
LMGT3クラスがスリックタイヤへと履き替え、コース上にドライパッチが出現するなか、残り20分から上位勢は最後のピットへと向かう。タイヤを交換するかどうかも注目されたが、上位勢は軒並み燃料補給のみのスプラッシュ、最後までウエットタイヤで我慢の走行を続けることを選択した。
ここでは残り15分でピットインした2番手の50号車フェラーリが、先にピット作業を済ませていた94号車プジョーに一時逆転を許したものの、テール・トゥ・ノーズからターン13で順位を奪い返して決着を迎えた。
天候は急激に回復し、最後は夕陽が差すなかでチェッカー。終盤は安泰の展開となった6号車ポルシェが2位50号車フェラーリに8秒差をつけて逃げ切り、今季初優勝を遂げた。3位には94号車プジョーが入り表彰台を獲得。僚友93号車も4位に続いた。5位はパンクから順位を回復したポイントリーダーの51号車フェラーリ。6位に38号車キャデラックが入るトップ6のオーダーとなった。
トヨタは8号車が9位、終盤スリックへと交換を行った7号車が14位でチェッカーを受けている。




