9月26~28日に静岡県の富士スピードウェイで行われる2025年WEC世界耐久選手権第7戦『富士6時間耐久レース』。最高峰のハイパーカークラスには8メーカー18台が参戦し、日本からはトヨタ・ガズー・レーシングが2台のGR010ハイブリッドを走らせる。
2025年のトヨタはここまで、表彰台を獲得できておらず苦戦を強いられているが、GR010ハイブリッドは2022年、2023年の富士6時間を制するなどこれまで地元で好成績を収めてきた。そして今大会で注目したいポイントは、予選で小林可夢偉が7号車の、平川亮が8号車のアタッカーを務めることだ。
■F1テストは「プランをドライバー側から組み立てることに活きる」
WECの予選は、上位10台を決めるクオリファイとポールポジションを決めるハイパーポールというふたつのセッションで行われる。
平川は「予選担当としては、この週末はアタックにかなり集中することになります。もう9割くらいは、予選の準備しかしない」と語る。その分、決勝のセットで走る時間は少なくなるが、ロングランの確認はチームメイトと仕事を分担していくことになる。
決勝へ向けて、チームメイトの作ったセットが乗りづらかったりすることはないのだろうかと問うと「(チームメイトのセットも)基本は自分の好みと同じ傾向がある部分もあります。ただ、タイヤのデグラデーション(性能劣化)に合わせた乗り方も含め、ドライビングのアジャストの方法など覚えておかないといけない部分はありますが、そこまで難しいとは感じていません。これまでも、意外とレースでも走れました」と回答。26~27日のフリープラクティスで平川が乗り込んでいる際は、予選へ向けたプログラムを進めていると見て間違いないだろう。
さらに平川は、8月6~7日に富士スピードウェイで開催されたハースF1チームによるTPC(Testing of Previous Cars/旧車テスト)テストイベントに、MoneyGram HAAS F1 TEAMのリザーブドライバーとして参加している。このテストでは、かなり細かくランプランが決まっていた印象だが、実は平川の主導で柔軟に変更していた部分もあるとのことで、クルマのセットについても多く意見していたようだ。
どこまでWECで活きてくるのかと尋ねると、「富士のTPCでは、最初と最後で大きく変わるぐらいにはクルマに手を加えていました。プランの中で何が大切なのか、何を優先するべきなのかをドライバー側から組み立てることはWECにも活きると思います」という。
2024年のWEC富士で初めて予選を担当した平川は、第2戦イモラ、第5戦サンパウロ、第6戦COTAでもアタッカーを務めており、なおかつF1チームとの仕事も重ねてきた。この一年間の成長が、今季4回目の予選アタックで好成績を引き寄せるかもしれない。
■「セットアップもやり尽くした感はある」と可夢偉
そして可夢偉も、7号車のアタッカーとしてこの週末を過ごすことになる。
可夢偉は今季の苦戦について「打開策は今のところない。結果的に真っすぐ(ストレートスピード)も遅いし、ダウンフォースも足りないし、そのうえ(車両重量が)重いから厳しい」とはっきりしたスタンスを言葉にしたうえで、今週末の意気込みを語った。
「うちのマシンはすでに5年選手で、ライバルにくらべて全然アップデートもできていないので、クルマで負けている部分があることは分かっています。セットアップもやり尽くした感はありますし、BoP(性能調整)が助けてくれるわけでもありません」
「それでも、レースは本当に何が起こるかわからないので、自分たちのレースを強くやり切ることが一番の目標です。出し切ってダメだったらもうしょうがないと思いますので、日本代表として頑張ります」
ホモロゲーションにより頻繁なアップデートは不可能、さらに性能差はBoPによって調整されるなかで、今季はライバルメーカーに遅れを取っているトヨタ。日本のファンが多く集まる地元戦で、持てる術のすべてを使い切る戦いが期待される。


