9月26日、静岡県の富士スピードウェイで2025WEC世界耐久選手権の第7戦『富士6時間耐久レース』が開幕し、日本のTOYOTA GAZOO Racingは、7号車GR010ハイブリッドがFP1=17番手/FP2=6番手、8号車GR010ハイブリッドがFP1=6番手/FP2=4番手となった。
初日を終えたフィーリングを、7号車のドライバーでありチーム代表も務める小林可夢偉と、8号車のドライバーである平川亮に聞いた。
■持ち込みのバランスは「オーバーとアンダー」
まずは走行初日のマシンフィーリングについて可夢偉は、「持ってきたパッケージが思ったとおりにいかず、バランスがオーバー(8号車)とアンダー(7号車)でした。FP2ではちょっとポジティブになったけれど、まだ正直足りていない」とコメント。こと7号車については、コース全域でアンダーステアに悩まされていたという。
そんななかで気になったのは、FP2で1分29秒876の自己ベストを刻んだのがニック・デ・フリースであったこと。搬入日の時点では可夢偉が予選アタッカーを務めると話していたが、走行初日のフィーリングをもとに、アタッカーを可夢偉からデ・フリースへ変更したという。
可夢偉は理由として「優しく走らないといけないから」と話した。
「クルマ的にあまりいいバランスではないので、今回は優しく走らないといけないんです。僕は優しく走るっていうのは『ちょっとダメだな』と思ったのと、ニックは優しくナチュラルな走り方をするタイプなので、今回は僕は辞めました」
可夢偉はさらに続けて、ストレート区間での苦戦に触れた。GR010ハイブリッドはBoP(性能調整)によって、乾燥最低重量が1069kgでフェラーリ499Pと並んで最重量、また時速250km以下のパワーが483kWでフェラーリに次いで2番手めに低い数値に調整されている。とくに話題に上がったのは後者の数値で、最大はアストンマーティン・ヴァルキリーとプジョー9X8で520kW、これはトヨタとは37kWの差だが、馬力に換算すると約53馬力差。この影響を強く実感している様子だ。
「もうバトルっていう話じゃないですよ。4台分ぐらい離れていても、普通に抜かれます。直線でちぎられますから」
「それと、時速250キロ以上(可夢偉によるとホームストレートではコントロールタワー付近から)はパワーが追加されますが、それも結局は他に並ぶだけなんですよ」
「そこまでの段階で速度が違うから、パワーが増えても追いつくまでに時間かかる。それで、ブレーキ踏む前のところで、トップスピードを合わせているだけなんです。ウチはコーナーは速いんですけど、すごいところからぶち抜かれていくんですよ」
チームには富士のノウハウもあるものの、この直線区間のロスは取り返すのが難しい部分。可夢偉は「願っても馬力が増えることはないし、コーナーでは負けていないもののある程度のところで限界がある」と前置きしつつ、明日以降の予選~決勝へ向けて意気込みを言葉にした。
「普通のやり方じゃダメだなっていうのが正直なところ。レースでも、ミスがないのは当たり前で、なおかつちょっといい流れが来ないと、優勝は難しい。(勝機を見出すポイントは)もう気合です。明日は新しい一日ということで、いい一日になるように頑張りたいと思います」
■「プジョーとアストンは異次元」と平川
一方、引き続き8号車の予選アタッカーを務める予定の平川は、「予選はかなり僅差になると予想している」とし、アタックシミュレーションの手応えを語った。
「FP1からクルマはよくできていたので、流れとしては良いとは思います」
「アタックシミュレーションでは、思っていたよりも早めにタイヤ(のグリップピーク)が来たので1周目でアタックをして、次の周は引っかかったのですぐピットに入りました」
「本音としては悪くはなくて、そこからまだタイムを上げられる感触はありました。ただ、周りも上げてくると思いますし、その分最終的にどこに行けるかわからないですけども、もしちょっと落としたらもうポジションが大きく落ちてしまうと思うので、予選の差はあまりないと感じていますね」
予選の接戦を覚悟している様子の平川。初日のタイミングボードはプジョーとアストンマーティンの速さが際立っていたが、「プジョーとアストンはロングランとかを見てても異次元な感じはしますね。ただ、その次のグループに入れてはいると思います」という。まずは明日の予選で2メーカーにどこまで迫ることができるだろうか。


