2026年からは、『TOYOTA RACING』としてWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦することになったトヨタ。1月7日にはアップデートが投入され、ルックスが大きく変わった『TR010ハイブリッド』が公式発表されるなか、1月9日に東京オートサロンの会場で行われたTOYOTA GAZOO Racingブースでのプレスカンファレンスでは、中嶋裕樹副社長から「モリゾウの力を借りずにル・マンで優勝します!」と、刺激的な発言も飛び出した。

 オートサロンの現場にはTOYOTA RACINGの中嶋一貴副会長をはじめ、チーム代表兼ドライバーの小林可夢偉らの姿もあり、現在モナコに拠点を置く平川亮も来場。カンファレンス後、平川にアップデートが投入されたマシンの感触を聞いた。

■縁石に乗れる『ル・マンのランドクルーザー』からは路線変更?

 平川は「WEC富士以来の日本ですね」と、約4カ月ぶりの来日。その間、10月にはフランスのポール・リカール、12月にはカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットでTR010のステアリングを握ったという。

トヨタTR010ハイブリッド
2026年1月7日に発表された新型ハイパーカー『トヨタTR010ハイブリッド』

 2回のテスト時点では、1月に画像が公開されたホモロゲーション取得モデルと100%同一ではなかったというが、「9割5分くらいは新しいものでした」と平川。

 空力面を中心にアップデートが投入されているTR010のインプレッションを聞くと、ポジティブな言葉が聞かれた。

「テストは単独走行なので、混走での評価はなかなか難しいものの、去年までのマシンよりも運転しやすい感覚はあります。去年のマシンは若干、ピーキーさがあったのですが、そこはマイルドになっている感じはあったので。最高速の部分などはル・マン(サルト・サーキット)に行かなければ分からない部分はあるのですが、いまのところはすごくいい感触ですね。エアロが効くエリア(速度域)で乗りやすいというか、安定している感じです」

「アタックシミュレーションなどもやりましたが、速いタイムも出せたので、予選も良さそうです。混走のレースでも(空力が)安定していれば抜かれないし、抜くチャンスも増えると思うので……そこは実際に混走してみないとわかりませんけどね」

「ル・マンではトップスピードがないとバトルでは負けます。去年は『単独ではいいけど、バトルでは負ける』という状態でしたが、そこは良くなっていると信じたいですね」

 新たな武器となる空力効率を重視するため、TR010ではサスペンションを固めの方向にし、路面とのクリアランスをなるべく一定に保つ方向を目指すことになりそう。

 昨年、トヨタは「ル・マンのランドクルーザーを目指す」として、「縁石に乗れるクルマ」を武器にサルト・サーキットでの大一番を戦ったが、この点についてはTR010では若干アプローチが変わりそうだ。

「去年までのような、縁石を使った走りは、ちょっとできなくなる気がしているので、そこはネガなのかもしれません。ただ、その部分は去年が『良すぎた』というのはあります。(縁石を使った走りを多用する)第2戦のイモラ含め、去年と同じでは走れないと思うので、そこはセットアップを考えていかなければならない部分ですね」

TOYOTA RACING
8号車TR010ハイブリッドをドライブするセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮

 また、2026年はミシュランが供給するタイヤのスペックも変更されるが、新たなコンセプトとなったマシンが新たなタイヤに対してどれだけの攻撃性があるのかも、今後見極めていくべきポイントだという。

「ハード(コンパウンド)でも、結構オーバーヒートするタイヤなんですよ。12月のカタールでもオーバーヒートしていたので……周囲(のメーカー)も条件は同じですが、正直まだ分からない部分ですね」

 なお、オフの時期にトヨタがカタールでテストを行うこと自体が珍しいが、小林可夢偉チーム代表によれば、「ちょっとくらい費用がかかっても、実際にレースをするトラックでテストをやろう」という方針もあり、ヨーロッパ以外でのテストが実現したという。

 昨年のル・マン24時間の決勝でブレーキ関連のトラブルが発生したことを受け、直後に可夢偉は「冬場のテストも、もっと暑いところでやることを検討しないといけないかも」と漏らしていたが、2026シーズンに向けてはさまざまな意味で実践的な走行機会を得ることができているようだ。

 ル・マンのトロフィー奪還に向けた動きは、ひとまず順調に進められている模様。3月のWEC開幕前公式テスト『プロローグ』の前までに、ポール・リカールおよびモーターランド・アラゴンでさらなる走行テストが予定されている。

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