トヨタ・レーシングからWEC世界耐久選手権に参戦する平川亮は、4月17〜19日に開催されるイモラ6時間レースでデビューを飾るアップデート版ハイパーカー『TR010ハイブリッド』について、よりバランスが良く、予測しやすいマシンを開発したと確信している。
■ル・マンの高速コーナーにも自信
トヨタは1月、昨年までのGR010ハイブリッドから名称を変更した『TR010ハイブリッド』を発表。名称変更と同時に、2025シーズンの苦戦を受け、ル・マン24時間レースで2度の優勝を誇るこのマシンの空力性能を根本的に見直すため、規則上許される“エボ・ジョーカー”を投入してのアップデートを行なった。
改良されたマシンは冬の間に集中的なテストプログラムを実施し、直近では2月下旬にモーターランド・アラゴンで2日間の走行テストを完了している。
新シーズンもセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーとともに8号車をドライブする平川は、昨年トヨタ・レーシングのテクニカルディレクター、デビッド・フローリーが弱点として指摘していた最高速だけでなく、ハンドリングも改善されたことを確信しているという。
「成功だったと言えるでしょう」と平川はSportscar365に対し語っている。
「僕らの進歩には本当に満足していますが、他のチームも進歩していると思います」
「僕の感覚では、ハンドリングも最高速も向上しました。シーズン開幕戦はイモラで、僕らがテストしてきたコースとは特性が異なりますが、ル・マンに向けては今のところ良い準備ができています」
平川はハンドリングの改善点についてさらに詳しく、こう付け加えた。
「バランスと予測可能性の両方が向上したと思います。昨年のマシンは、オーバーステアやアンダーステアが頻繁に発生し、運転が難しい場面がありました。昨年はまさにその点を痛感し、教訓を得ました」
「ハンドリングに関しては高速コーナー、ル・マンに例えるなら、セクター1のS字コーナー(森のエス)や最終コーナーのシケインなどでの状況に、より適しています。ですから、両方の面で改善できたと思います。これは良いことです」
「レギュレーションは長らく変わっていないので、どんな小さなことでも改善点を見つける必要があります。僕らはあらゆることを試していますし、どんな小さなアドバンテージでも追い求めています」
■第2戦スパが大一番への試金石に
TR010の改良、そしてトヨタが2024年にイモラで優勝したという事実にもかかわらず、平川は、路面特性の面で不利なため、新型マシンのデビュー戦での優勝争いは難しいだろうと控えめに語った。
「イモラでは、僕らは最強とは言えません。ですから、解決策を見つけようと努力しています」と平川。
「イモラはダウンフォースやグリップを失わずに縁石に乗ることが重要なコースなので、縁石上でのハンドリングを改善しようと努力しています。今のところ良い結果が出ているので、これからどうなるか見ていきましょう」
「とはいえ、イモラは僕らの得意コースではないと言わざるを得ません。フェラーリはそこで強いですからね」
平川は、5月にスパ・フランコルシャンで行われる第2戦が、トヨタのアップグレードがル・マンで成功につながるかどうかの真の試金石になると述べている。
「スパでは時速310~320kmに達するので、最高速を確認し、ある程度の見極めができるでしょう」と平川。
「ル・マンまであと2レースしかないので、すべてをファイン・チューニングしていく必要があります」
「でも、僕らは興奮しています。もしかしたら自信があると言えるかもしれません。見てみましょう」

