トヨタ・レーシングは、4月17~19日にイタリアで開催されるWEC世界耐久選手権の2026年シーズン開幕戦『イモラ6時間レース』において、ハイブリッド・レーシングカーによる参戦100戦目という大きな節目を迎える。
2012年のWEC復帰以来、ハイブリッド技術とエンジン技術を軸に挑戦を続けてきたトヨタにとって、今回のレースはこれまでの歩みを象徴すると同時に、次なる時代へ向けた新たな一歩となる。
今シーズン投入される『TR010ハイブリッド』は、トヨタおよびトヨタ・レーシングGmbHの技術力を結集したプロトタイプカーだ。その心臓部には、トヨタ東富士研究所で開発された3.5リッターV6ツインターボエンジンが搭載され、100%再生可能なレース用燃料で700PSを超える出力を発揮する。
また、デンソーやアイシンといったパートナー企業が提供する先進のハイブリッドモーターやインバーター、さらにレイズ製の軽量ホイールやアケボノ製のブレーキキャリパーなど、日本の技術力が各所に盛り込まれている。
先代の『GR010ハイブリッド』から大きく進化した外観は、トヨタの最新市販車デザインコンセプトが採用されると同時に空力性能が改善された。デザインとともに一新されたマシンカラーは、トヨタのコーポレートカラーである赤を基調に、“風”をコンセプトに白が日本的な美意識にもとづいて取り入れられた。さらに、イモラ戦では100戦参戦を記念した特別ロゴが掲出される。
トヨタはこれまでWECにおいて、世界選手権13タイトルを、通算49勝、そしてル・マン24時間レース5連覇という輝かしい実績を築いてきた。この強さを支えるドライバーラインアップは今季も維持され、7号車はマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリースの3名、8号車はセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の3名とそれぞれ盤石のチームワークで優勝を狙う。
当初予定されていたカタールでの開幕戦が地域情勢の影響で延期となったため、2026年シーズンは4月14日の“プロローグテスト”から事実上の始動となる。舞台となる全長4.909kmのイモラ・サーキットでは2024年に7号車が勝利を挙げている。開幕戦の予選は18日・土曜15時10分(日本時間22時10分)から、注目の決勝レースは19日・日曜13時(日本時間20時)にスタートする予定だ。
■TOYOTA RACINGドライバーコメント
●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「WECでハイブリッドレーシングカーとして100戦目を迎えられるのは、本当に特別なことだと思います。ここまで一緒に戦ってきたトヨタ、そしてすべてのパートナーの皆さんに、心から感謝しています。これまでファンの皆さんに多くのエキサイティングな瞬間を届けられていたらうれしいですし、これからは、さらに多くの感動を届けていきたいと思っています」
「今年はとても楽しみなシーズンです。昨年速さはあったものの、いくつかの制限もあり、ライバルが大きく力を伸ばしてきたことで厳しい戦いになりました。だからこそ、私たちはこのアップデートされたマシンをずっと待ってきました。新しいクルマをここまで仕上げてくれたチームのみんなに感謝しています。この新しいマシンでどこまで戦えるのか。今からワクワクしています」
●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)
「いよいよシーズンが始まり、自分たちがどこにいるのかを確かめられる時が来た。2026年のクルマは本当にクールな仕上がりだし、いくつかの改善も入っているので、ふたたび競争力を発揮できると期待している」
「実際には、昨年12月にTR010ハイブリッドのテストが始まった時点で、すでに今シーズンへの挑戦はスタートしていた。そこからずっと準備を重ねてきたし、カタール戦の延期でその時間は少し長く感じたね。チーム全員が、もう一度トップで戦うために全力を注いでいる。とにかく、早くレースがしたいよ」
●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)
「可夢偉、マイクとともに7号車で3年目のシーズンを迎えられることを、とても楽しみにしている。お互いをよく理解しているし、つねに成長し続ける強いチームだと思っている」
「テストはとても有意義だった。しっかり準備はできていると感じている。ただ、本当の立ち位置が分かるのはイモラだ。強力なライバルたちとの戦いになるので、上位で戦うには週末を通して完璧な仕事が求められる。僕たちはそれができるチームだと思っているし、このチャレンジを楽しみにしているよ」
●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)
「WEC参戦100戦目を迎える準備ができていると思うと、本当に特別な気持ちになりる。最初のレースからこのプロジェクトに関わってこられたことを、とても誇りに思うし、チームが長い時間をかけて確実に強くなってきたことを実感している」
「TR010ハイブリッドは、トップ争いができるポテンシャルを持ったクルマだと感じている。チーム全員がパフォーマンスを最大限に引き出すために、全力で取り組んできた。その成果がどう出るかはサーキット次第だが、良い感触はあるよ。イモラでふたたびステアリングを握るのが待ちきれないし、100戦目のこのレースでは、もちろん表彰台を狙っていく」
●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)
「2025年は精神的にもタフなシーズンだったが、その経験があったからこそ、今年に向けてチーム全体のモチベーションはとても高まっている。昨シーズンが終わる前から、チームスピリットや『もう一度前で戦う』という強い気持ちを感じていた」
「アップデートされたマシンも、きっと大きな武器になるはずだ。テストでは良い感触を得ているが、ライバルたちも確実に進化しているので、イモラは最初の大きなチャレンジになると思う。僕たちはパフォーマンスをさらに引き上げ、ふたたびトップ争いに戻る準備ができている」
●平川亮(8号車ドライバー)
「強い決意と大きな期待を持って、今シーズンに臨みます。毎レースでトップ争いをしたいという気持ちで、これまで全力で準備をしてきました」
「今シーズンに向けた取り組みは、2025年が終わる前から始まっていて、ケルンと東富士のメンバー全員が、TR010ハイブリッドのために本当に多くの時間とエネルギーを注いできました。とても忙しい期間でしたが、その分、どのレースでも勝負できるという自信があります」



