イタリアのイモラ・サーキットで4月18日、WEC世界耐久選手権開幕戦『イモラ6時間レース』の予選およびハイパーポールが行われ、AFコルセの51号車フェラーリ499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ組)がポールポジションを獲得した。

 午前中に実施されたフリープラクティス3回目と同様に、午後の予選セッションも晴天に恵まれたイモラ。気温25℃、路面温度43℃のドライコンディションの下、まずは定刻14時30分よりLMGT3のハイパーポールに進出する10台を選抜する“最初の予選”がスタートした。

 各車のブロンズドライバーがアタックを行うこのセッションでは、ピーター・デンプシー駆る34号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(レーシング・チーム・ターキー・バイ・TF)が1分41秒642をマークし、暫定トップに立っていたマーティン・ベリーの61号車メルセデスAMG GT3エボ(アイアン・リンクス)を逆転。これにチームWRTの69号車と32号車BMW M4 GT3エボ勢が続くトップ3となった。

 2番手となった69号車BMWは、アンソニー・マッキントッシュのドライブで1分42秒315をマークし、ダレン・ラーン駆る32号車は姉妹車から0.113秒遅れた。

 ハイパーポール進出ラインの10番手を巡る争いでは、最終盤にアンタレス・オーがドライブする10号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)が1分43秒038をマーク。土壇場で9番手に食い込む。これにより10番手につけていたヤッサー・シャヒンの92号車ポルシェ911 GT3 Rエボ(ザ・ベンド・マンタイ)が第1予選での敗退することとなった。

レクサスRC F GT3
78号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム) 2026年WEC開幕戦イモラ

 予選上位10台がポールポジションをかけて争うハイパーポールには、シルバードライバーが出走する。同セッションは78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)がグラベルに飛び出すシーンもあったが中断なく進み、チェッカー後に34号車コルベットのコースアウトにより赤旗が提示されたが、全車のアタックが終了していたため体勢に影響はなかった。

 そんなハイパーポールを制したのは、“新参”ガレージ59の10号車マクラーレンだった。トーマス・フレミングが1分41秒181をマークし、2番手に0.226秒差をつけた。

 その2番手は終盤まで69号車BMWだったが、ラストアタックでレクサスの2台が相次いでこれを逆転。クレメンス・シュミット駆る87号車に続いて自己ベストの1分41秒407を出したアドリアン・デイビッドの78号車がフロントロウ2番手を得た。

 69号車BMWは、3番手となった87号車レクサスと2列目に並び、チームWRTの姉妹車である32号車がこれに続いてトップ5を締めくくっている。

マクラーレン720S GT3エボ
10号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ガレージ59) 2026年WEC開幕戦イモラ
レクサスRC F GT3
87号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム) 2026年WEC開幕戦イモラ

■トヨタの逆襲。意地を見せたフェラーリ

 LMGT3の予選/ハイパーポールが終わると、いよいよハイパーカークラスの登場だ。最初の予選では17台が出走し、上位10台がハイパーポールに進むのはGTカテゴリーと同じ。ただし、こちらは両セッションを同じドライバーが担当できる。

 注目の予選セッションは、事前の予想どおり15台がトップから1秒差に入る接戦の様相を呈した。そんななか地元フェラーリ勢が存在感を発揮し50号車499Pがトップ通過を果たした。フォコは1分30秒199というタイムで首位に立ったあと、1分30秒088へとタイムを縮めてポジションを確実なものとした。

 ニック・デ・フリース駆る7号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング)が1分30秒274で一時2番手につけたが、終盤に83号車フェラーリのロバート・クビサがタイムを伸ばし、改良型マシンを投入しているトヨタを0.059秒上回った。

 トップ3に続くポジションには94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)が入り、王者51号車フェラーリは5番手で予選を通過した。トップに立つ場面やコースアウトするシーンもあった35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)が、姉妹車36号車が11番手と惜しくもハイパーポール進出を逃すなか6番手につけた。

 7番手は平川亮が乗り込んだ8号車トヨタTR010ハイブリッド。チームWRTのBMW MハイブリッドV8勢は8番手と9番手となり、12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラックVシリーズ.R)が最後の枠を確保している。

平川亮
8号車トヨタTR010ハイブリッドの予選アタックを担当した平川亮

 ハイパーポールは10分間の戦い。ここで早々に基準タイムを作ったのは94号車プジョーだった。マルテ・ヤコブセンはまだライバルたちがウォームアップを行うなか1分30秒545を記録し、さらに1分30秒237へとタイムを更新していく。

 セッション終盤に入るとライバルたちも一気にタイムを上げ、その中でフェラーリAFコルセの51号車と50号車がプジョーを上回っていく。

 トップに立った51号車フェラーリはジョビナッツィの2度目のアタックでセクター1&2でその時点の最速を記録するも、セクター3でタイムが伸びず自己ベスト更新とはならず。一方、94号車プジョーは3度目の計測で1分30秒200を刻み、フェラーリ勢の間に割って入る。

 驚きはこれだけではなかった。直後にフォコの50号車フェラーリがトップに立ったあと、セクター1でパープル(全体ベスト)をつけた8号車をドライブする平川が1分30秒138というタイムを叩き出しトップに立ったのだ。トヨタが宿敵の“ホーム”でポールポジションを奪うかに思われたが、ラストアタックに入っていたジョビナッツィがこれを0.011秒上回ってみせ、逆転に次ぐ逆転の展開に終止符打ってポールポジションを獲得してみせた。

 最終的に上位9台がトップとコンマ5秒以内、10番手の15号車BMW MハイブリッドV8でさえ0.674秒のおくれにとどまったハイパーポールを制したのは51号車フェラーリ。8号車トヨタと50号車フェラーリがトップ3を形成した。4番手は光るスピードを見せた94号車プジョー、5番手には12号車キャデラックが入り、トヨタのもう一台でデ・フリースがドライブした7号車が6番手となっている。

 明日の決勝は13時(日本時間20時)に6時間レースのスタートが切られる予定だ。

トヨタ平川亮が魅せた! フェラーリを脅かす走りで最前列確保も51号車が逆転ポール【WEC第1戦イモラ予選レポート】
50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ) 2026年WEC開幕戦イモラ
94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ) 2026年WEC開幕戦イモラ
8号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング) 2026年WEC開幕戦イモラ

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