トヨタのWEC世界耐久選手権2連勝は、レース運営においてトヨタが「軌道に乗った」ことを示していると、テクニカルディレクターのデビッド・フローリーは4月19日に行われたイモラ6時間レースでフェラーリに勝利した後、確信を表明した。
セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮がドライブする8号車トヨタTR010ハイブリッドの勝利は、ケルンを拠点とするトヨタにとってハイブリッドカーでの出走100戦目にして50回目のWEC勝利となり、改良型TR010のデビュー戦での勝利となった。
これは、2025年シーズン最終戦バーレーンでGR010ハイブリッドが挙げた勝利に続くものとなった。そして姉妹車の7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)は、イモラで51号車フェラーリ499Pに次ぐ3位に入賞している。
フローリーは、2025年シーズンは苦戦を強いられ、サーキット・オブ・ジ・アメリカズと地元富士スピードウェイでの不振もあって、今回の勝利は格別だったと語った。
「今週は、我々がレースを終えた時の位置から、スタートすることはできなかった」とフローリーは述べた。
「ドライバー、エンジニア、メカニックを含め、チーム全体がこの1週間で多くのことを学び、着実に進歩を遂げた」
「最終的には、レースでまずまずのペースで走ることができた。最速ではなかったと思うが、他チームよりも優れたパフォーマンスを発揮できたことが勝利につながった。純粋な速さで勝ったのではなく、ミスを犯さず、高いレベルでレースを遂行できたことが勝因だ」
「昨年のオースティンと富士ではベストなレースができなかったが、(最終戦の)バーレーンと今回のレースでチームが本来の調子を取り戻し、いつものようにレースを遂行できるようになったのは良いことだ」
フローリーは、レース序盤に8号車のタイヤを3スティント走らせトラックポジションを稼ごうとしたことは「戦略の一環」だったと述べ、その後のバーチャルセーフティカー(VSC)導入中に平川がピットインして4本すべてのタイヤを交換することができたため、フェラーリに遅れを取ることなくレースを進めることができたと説明した。
また、同様の考えから、レース終盤に小林可夢偉の7号車を古いタイヤのままにして51号車の前に出ようとした。この7号車の戦略的な動きにより、ブエミはフィニッシュ前に追走してくるフェラーリとの差を広げることができた。
「このコースでは追い抜きがほぼ不可能なので、戦略がすべてだ」とフローリーは語った。
「昨年、セバスチャンが50号車フェラーリを大幅に遅れてでも複数スティントにわたって抑え込んだ経験から、このことは分かっていた。だから、51号車がタイヤ交換をしたのを見て、8号車と51号車の間に7号車を割り込ませるために、可夢偉にアグレッシブな動きをさせたんだ」
「チーム一丸となって頑張った結果だ。カムイは肘を張って、しっかりとその仕事をやり遂げた」
8号車のハートレーは、平川の予選での走りを称賛した。平川は、ハイパーポールでアントニオ・ジョビナッツィの51号車フェラーリに次ぐ2番グリッドを獲得。これが、最終的なリザルトの鍵のひとつとなった。
「土曜日に亮がフロントロウを獲得したことが、決定的な出来事だった」とハートレーは語った。
「まったく予想していなかったことだ。これにより、僕らはレース開始前に追い風を受けることができた」
「(スタートでは)ターン1で50号車に抜かれた。彼はソフトタイヤでスタートしていたので、彼を抑えるのは難しいだろうと思っていた。だけど僕らは集中力を保ち、タイヤを温存した」
「今日はチームが完璧な戦略を実行したと思う。トリプルスティントでポジションを上げた。VSCのおかげでタイヤ交換ができたのは少し幸運だったかもしれないが、最終的には可夢偉が51号車の前にステイアウトしてくれたという、チーム一丸となった努力が実を結んだんだ」
「チーム一丸となって戦えたこと、そして誰ひとりミスなくレースを終えられたことは本当に嬉しかった」
一方の平川は、フェラーリに比べてイモラでの準備が不十分だったことを考えると、今回の勝利は予想外だったと述べ、来月開催される第2戦スパ・フランコルシャンに向けて自信を深めたと語っている。
「特にセカンドスティントでは、マシンにとても自信を感じました」と平川。
「マシンは本当に乗りやすかったです」
「イモラは僕らの弱点コースだと感じています。路面が荒れていて、(フェラーリはしていたのに)僕らはテストもしていなかったので、今回の勝利は本当に驚きです」
「スパはまったく異なるコースで、高速域が多く、ダウンフォースがより重要になるので、楽しみにしています」


