5月8日、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、WEC世界耐久選手権第2戦『トタルエナジーズ・スパ6時間レース』の予選およびハイパーポールが行われ、ロイック・デュバル/マルテ・ヤコブセン/テオ・プルシェール組の94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)がポールポジションを獲得した。

■2台のレクサスが両セッションでトップタイム

 翌日の6時間レースに向け、決勝のスターティンググリッドを決定する重要なセッションは、まずはLMGT3クラスの”第1予選”からスタート。現地14時30分のコンディションは曇天で路面はドライ。気温15度、路面温度は21度となっている。

 全18台中、ハイパーポールに進む10台を絞り込む最初の予選で速さを見せたのは87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)で、ペトル・ウンブラレスクが2分17秒375というタイムで後続をコンマ4秒以上引き離した。2番手はステファノ・ガットゥーゾ駆る88号車フォード・マスタングGT3エボ(プロトン・コンペティション)。

 フォード勢は、61号車メルセデスAMG GT3エボ(アイアン・リンクス)を間に挟み、もう一台の77号車が4番手に。5番手には34号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(レーシング・チーム・ターキー・バイ・TF)が入った。

 2台ともハイパーポールに進んだのはフォードとレクサスのみ。後者は78号車RC Fが10番手に滑り込んだ。一方、開幕戦のポールシッターである10号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)は15番手で脱落。またディフェンディングチャンピオンの92号車ポルシェ911 GT3 Rエボ(ザ・ベンド・マンタイ)も12番手でハイパーポール進出を逃している。

 アタッカーをシルバードライバーに交代して行われる“第2予選”でも、レクサスが速さを見せた。セッション序盤のワン・ツーは維持できなかったものの、78号車を駆るアドリアン・デイビッドが2分16秒612というタイムでトップに立ち、LMGT3クラスのポールポジションを獲得した。

 これに0.194秒差で続いたのはザカリー・ロビション駆る27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ(ハート・オブ・レーシング・チーム)で、さらに0.018秒の僅差でベン・タックの77号車フォードが3番手となっている。

 レクサスの姉妹車は2列目4番手を獲得。3列目は88号車フォードと21号車フェラーリ296 GT3エボ(ビスタAFコルセ)が分け合っている。スパ6時間は母国レースとなる、チームWRTの32号車BMW M4 GT3エボは7番手からのスタートだ。

5年目のプジョーが初のポールポジション獲得。トヨタ&フェラーリは各2台がトップ10圏外、ハイパーポール進出を逃す【WEC第2戦予選レポート】
LMGT3のポールポジションを獲得した87号車レクサスRC F GT3のドライバーたち。左からエステバン・マッソン/トム・ファン・ロンパウ/アドリアン・デイビッド
アストンマーティン・バンテージAMR GT3
27号車アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3(ハート・オブ・レーシング・チーム) 2026年WEC第2戦スパ・フランコルシャン
フォード・マスタングGT3
77号車フォード・マスタングLMGT3(プロトン・コンペティション) 2026年WEC第2戦スパ・フランコルシャン

■スピンからポールポジション

 LMGT3クラスに続きハイパーカークラスの予選も定刻に開始される。しかし、アウトラップでマルテ・ヤコブセンがドライブする94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)が単独スピン。高速コーナーのラディオン出口でのアクシデントだったが、幸い大事には至らず、すぐ走行を再開している。

 各車のアタックはセッション中盤から。まずは83号車フェラーリ499P(AFコルセ)を駆るロバート・クビサが2分01秒777というターゲットタイムを設定するも、すぐにアントニオ・フォコの50号車フェラーリ(フェラーリAFコルセ)が上回り、姉妹車51号車も3番手とフェラーリ勢が上位を固めていく。

 このトップ3にアストンマーティン・ヴァルキリー勢(アストンマーティンTHORチーム)が割り込むと、小林可夢偉の7号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング)が2番手に浮上。順位はここからさらに目まぐるしく入れ替わっていき、最終的には、シャルル・ミレッシが35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)で記録した2分00秒808が最速タイムに。これは2番手につけた94号車プジョーより0.215秒も早いタイムだった。

 3番手は35号車アルピーヌ。50号車フェラーリが4番手となり、5番手にはプジョーの93号車がつけた。セッション終盤、009号車ソーレンセンがチェッカーラップでのアタックでトップ10圏外から8番手に滑り込むことに成功する。これで10番手につけていた20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)がハイパーポール進出圏から弾き出されることとなった。

 トヨタは7号車が12番手、ブレンドン・ハートレーがアタックを担当した8号車も16番手でノックアウト。特筆すべきは、フェラーリ499Pも83号車が13番手、ファクトリーカーである51号車は15番手に沈んだことだ。アントニオ・ジョビナッツィが乗り込んだ後者は、タイムアタックの最中に姿勢を乱すシーンがあった。

 波乱の予選を経て迎えたハイパーポールは、第1予選より3分短い12分間の戦い。ここではアルピーヌがライバルに対し先制パンチを繰り出した。ミレッシが予選のベストを上回る2分00秒731をマークしたのだ。さらに僚友ジュール・グーノン駆る35号車アルピーヌも2分00秒台のタイムで姉妹車に続く。

 しかし、ライバルたちも黙ってはおらず若き才能ヤコブセンが、ミレッシのタイムを0.078秒上回ってみせる。さらにウィル・スティーブンスが乗り込んだ12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)も2分00秒727を記録して2番手に。スティーブンスはその後、自己ベストを更新するも逆転には至らず。それでもフロントロウを確保した。

 一方、アルピーヌ勢は最初のタイムを更新できず2列目から勝利を目指す。5番手以下は38号車キャデラック、009号車と007号車のアストンマーティン勢、50号車フェラーリ、93号車プジョー、最後の10番手は15号車BMWとなっている。

 WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースは、9日土曜の14時(日本時間21時)にスタートが切られる予定だ。

プジョー9X8
94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ) 2026年WEC第2戦スパ・フランコルシャン
5年目のプジョーが初のポールポジション獲得。トヨタ&フェラーリは各2台がトップ10圏外、ハイパーポール進出を逃す【WEC第2戦予選レポート】
ポールポジションを獲得した94号車プジョー9X8のドライバーたち。左からテオ・プルシェール/マルテ・ヤコブセン/ロイック・デュバル
キャデラックVシリーズ.R
12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA) 2026年WEC第2戦スパ・フランコルシャン
5年目のプジョーが初のポールポジション獲得。トヨタ&フェラーリは各2台がトップ10圏外、ハイパーポール進出を逃す【WEC第2戦予選レポート】
35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム) 2026年WEC第2戦スパ・フランコルシャン

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