5月9日、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで行われたWEC世界耐久選手権第2戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』。波乱の展開となるなか、トヨタ・レーシングは厳しい戦いを強いられながらも、最終的に2台そろってポイント圏内でフィニッシュした。
■ラスト20分、可夢偉が表彰台を争う
12番手スタートだった7号車TR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)は、序盤にコンウェイとデ・フリースが追い上げを図るも、トップ10圏外での走行を強いられた。しかし、他車のアクシデントや可夢偉の大胆なオーバーテイクにより順位を上げ、さらにレース終盤でのセーフティカー導入により一時は4番手まで浮上し、最後までエキサイティングなレースを展開した。
16番手からレースを開始した8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)は、序盤から異なる戦略を採用。最初のスティントを短めに切り上げたことでハートレーが2番手へ浮上し、その後は平川、ブエミとつなぎながら、長時間にわたって上位をキープした。
しかし終盤のセーフティーカー導入時、ピットストップに関するトラブルによって充分な給油が行えず、追加のピットインを余儀なくされた。この影響で8号車は、最後のセーフティカー導入時にトップ10圏外へと順位を落としてしまった。
残り約20分でレースが再開されると7号車の可夢偉は4台が拮抗した2番手争いに加わり、ホイール・トゥ・ホイールの激しい攻防を展開。最終的に、7号車はトップからわずか6.015秒差の5位でチェッカーを受けた。8号車も最終的に10位でフィニッシュし、貴重な1ポイントを獲得している。
WECの次戦は6月13〜14日、いよいよ大一番のル・マン24時間レースを迎える。ル・マン前哨戦を終えたトヨタ・レーシングの6名のドライバーのコメントは、以下のとおりだ。
■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「5位と10位という結果は、今回のペースを考えると悪くなかったと思います。いくつか課題がありましたが、良い結果を出すために最善を尽くし、2台ともにポイントを取ることができたことは、チャンピオンシップ獲得に向けて良いことだと思います」
「簡単な1週間ではありませんでしたが、チームとして力強いパフォーマンスを発揮できました。ル・マンに向けて振り返りをし、改善すべき点をしっかりと見直していきます」
■マイク・コンウェイ(7号車)
「正直、予想以上の結果だった。僚友の8号車は戦略的にもチャンスがあったが、不運もあった。異なるふたつの戦略で、異なる結果となったが、5位で終えられたことには満足している」
「4位まであと一歩に迫ったが、残念ながら終盤は上位と互角に戦えるだけのペースがなかった。とはいえ、貴重なポイントを獲得することができたし、気持ちを切り替えて次戦のル・マン24時間レースに挑みたい」
■ニック・デ・フリース(7号車)
「少し複雑な気持ちだ。8号車は僕らと異なる戦略を用い、好成績を狙えるチャンスがあったが結果につながらなかった」
「一方で僕らは、クリーンでミスなくレースを走り切り、レース展開も味方してポイントを獲得できた。この結果はポジティブに受け止めている」
■セバスチャン・ブエミ(8号車)
「ピットストップのタイミングをずらすという戦略判断は正しく、レースも順調だったが、終盤に大きく順位を落としてしまった。しばらくは悔しい思いをするだろうが、これもレースだ」
「一方、7号車がポイントを取り返すことができ、チームにとってはポジティブな結果だったが、本来はもっと上を狙えたはずだ。ル・マンではさらに強くなって戻ってきたい」
■ブレンドン・ハートレー(8号車)
「1ポイントを獲得することはできたが、表彰台が見えていただけに残念だ。しかし、こうしたことが起こるのもレースであり、すべてはチームとして戦った結果だ」
「一方で、一時は絶好のチャンスもあったし、素晴らしい展開で、最後は手に汗握るレースとなった。チーム全員が全力を尽くし、強いファイティングスピリットを示すことができたと思う」
■平川亮(8号車)
「表彰台、さらには勝利も狙える展開だったので、正直とても悔しいです。今回何が起きたのかをしっかりと振り返り、同じことを繰り返さないようにしたいです」
「私たちにとってはフラストレーションの残る結果となりましたが、次はル・マンです。この経験を最大限に生かし、全力で準備を進めていきます」

