6月14日、フランスのサルト・サーキットで『第94回ル・マン24時間レース』が開催されている。WEC世界耐久選手権の2026年シーズン第3戦として行われている同レースは、13日現地16時のスタートから12時間が経過した。24時間レースの折り返しを迎えた未明の時間帯は、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAの38号車キャデラックVシリーズ.R(セバスチャン・ブルデー/アール・バンバー/ジャック・エイトケン組)が総合首位に立っている。

 14&15番手からスタートしたトヨタ・レーシングの戦略的な動きによって、8号車TR010ハイブリッドが一躍トップを争う位置に浮上した序盤戦は、オープニングラップでトップに立った20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)、ポールラップ抹消を経て10番手スタートから順位を上げてきた38号車キャデラックと8号車トヨタがピットタイミングの度に首位を入れ替えていく展開に。

 レース時間の4分の1にあたる6時間を超えた時点でもこの構図に変わりはなく、地元ル・マン出身のブルデー駆る38号車キャデラックを先頭に20号車BMW、12号車キャデラック、そして平川亮からドライバー交代したブレンドン・ハートレーの8号車が1分以内の差で上位グループを形成していた。

 しかし、スタートから7時間40分を迎える直前に導入された、54号車フェラーリ296 GT3エボ(ビスタAFコルセ)のスタックによる、このレース最初のセーフティカー(SC)が展開に変化をもたらす。当時トップを走っていた8号車はこのタイミングでピットへ。後続のライバルたちもピットに飛び込んだことで上位陣のピットタイミングが揃うこととなった。

 約45分間続いたSCランの解除後、8号車トヨタは2番手の20号車BMWを約16秒リードする。これはトヨタとBMWが異なるSCの後ろに戻ったあと、パスアラウンドなどの隊列の整理後に両車の間に別クラスの車両が複数台挟まったためだ。

 レース再開後まもなく、50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)がガレージに入れられた。コクピット内でなにかしらの問題が生じた模様で、コース復帰に約27分の作業を要することに。また20号車BMWはペースが上がらず、12号車と38号車の両キャデラックにかわされ4番手に順位を下げた。

修復作業にあたる50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)のメカニックたち 2026ル・マン24時間レース

 トヨタ優位でレースが進むなか、9時間20分過ぎに突如としてトップ2台の差が詰まった。これは、ブレンドン・ハートレーがミュルサンヌでオーバーシュートしたことが原因だった。前の2台に追いついた38号車キャデラックはここでピットタイミングを早め、トヨタの前に出る戦略をとる。

 これが功を奏し3台がそれぞれルーティンのピット作業を終えると、唯一タイヤを替えなかった12号車が首位、姉妹車38号車が2番手に。11時間目には8号車がタイヤを替えた12号車をコース上でパスしたが、12時間目序盤のルーティン・ピットで12号車がふたたび前へ。この間に好ペースを刻むジャック・エイトケン駆る38号車キャデラックが、姉妹車とトヨタに対するリードを徐々に拡げている状況だ。

 スタートから12時間が経過する直前の段階で、トップに立つ38号車と12号車の両キャデラックのタイムギャップは約20秒、3番手の8号車トヨタは約30秒、4番手につける20号車BMWとは35秒だ。5番手には35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)つけ、小林可夢偉のドライブで追い上げを図る7号車トヨタが6番手となっている。

38号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA) 2026ル・マン24時間レース
20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT) 2026ル・マン24時間レース

 LMP2クラスは、序盤から首位に立っている30号車オレカ07・ギブソン(デュケーヌ・チーム)の支配が続いていたものの、SCを契機に343号車オレカ(インターユーロポル・コンペティション)がクラストップに浮上。2台による僅差の戦いが続いている。

 クラス3番手には、太田格之進とハリー・キングが夜間走行を担当した9号車オレカ(プロトン・コンペティション)が続くが、トップからは1分50秒以上の後れを取っている。

 LMGT3クラスは、ル・マン2連覇中の92号車ポルシェ911 GT3 Rエボ(ザ・ベンド・マンタイ)がトラブルで遅れる波乱が起きるなか、序盤から好調のレクサスRC F GT3勢(アコーディスASPチーム)が依然として好走を見せ、ジャック・ホークスワース駆る78号車とホセ-マリア・ロペスの87号車がワン・ツー体制を築いている。

 これに続くのは33号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)で、74号車フェラーリ296 GT3エボが4番手に。ケッセル・レーシングの姉妹車で木村武史もドライブする57号車フェラーリはクラス9番手を走行中だ。

 空はまだ暗闇に包まれているものの、もう数時間で夜明けを迎えるル・マン24時間レースは、このあと後半戦へ入っていく。

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