6月13日から14日にかけて、フランスのサルト・サーキットで2026年WEC世界耐久選手権第3戦『第94回ル・マン24時間レース』が開催され、トヨタ・レーシングが激闘の末に勝利を飾った。
35万105人の大観衆が見守るなか、ハイパーカークラスによる近年稀に見る接戦が繰り広げられ、トヨタは伝統の地で通算6勝目を挙げた。優勝を果たしたのは、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリースがドライブする7号車トヨタTR010ハイブリッドだ。
姉妹車の8号車を含め、予選では期待どおりの結果を得られず後方グリッドからのスタートとなったトヨタ陣営だったが、チームはトラフィックを避けるための積極的なピット戦略を採用し、着実に順位を上げていった。とくに7号車は序盤にタイヤのスローパンクチャーに見舞われる困難に直面したが、朝方にかけての猛追により、残り6時間の時点で表彰台圏内へと浮上。最終的には24時間で381周を走り抜き、2位に10.913秒差をつけてチェッカーを受けた。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車も3位に入り、ダブル表彰台を獲得した。8号車は一時期レースをリードしたものの、コースオフやペナルティ、ブレーキドラムの修復作業といった不運が重なり、厳しい戦いを強いられることに。しかし、終盤のセーフティカー導入によるリセット後にふたたび力強さを発揮し、首位と20.417秒差でフィニッシュした。
この勝利により、トヨタはマニュファクチャラーズランキングで首位に浮上。7号車のドライバー陣もランキング首位に立った。次戦は7月12日、ブラジルで開催されるサンパウロ6時間レースに臨む。
■トヨタ・レーシング ドライバーコメント
●小林可夢偉(チーム代表兼ドライバー/7号車)
「とても厳しいレースでしたが、最後まで決して諦めませんでした。7号車はこれまでル・マンで2位が続いていましたが、ようやく2度目の優勝を手にすることができました。この勝利を長く待ち続けてきただけに、本当に特別な気持ちです」
「レースウイーク全体を通して決して楽ではなく、決勝でも苦しい展開が続きました。序盤のスローパンクチャーもあり厳しい状況でしたが、マイク、ニック、そしてエンジニアやピットクルーが素晴らしい仕事をしてくれました。忘れられない一日になりましたし、この特別な舞台を支えてくださったすべてのファンの皆さんに感謝しています」
●マイク・コンウェイ(7号車)
「非常に激しいレースだった。予選順位から巻き返せる手応えはあったが、どこまで順位を上げられるか、そしてどれほど接戦になるかは予想できなかった。順位が目まぐるしく入れ替わる展開で、勝機を感じられたのは終盤に入ってからだった」
「チーム全員が素晴らしい仕事を成し遂げたと考えている。可夢偉とニックは本当に速く、勝負どころでトップ争いに押し上げてくれた。ピットクルーもミスのない完璧な対応だったと思う。ケルン、東富士、そしてトヨタ全体で支えてくれたすべての方々に感謝している。この勝利は自身にとって本当に特別なものだ」
●ニック・デ・フリース(7号車)
「ル・マン24時間レースで優勝できたことを、心からうれしく思う。大きな安堵とともに感謝の気持ちでいっぱいだ。ル・マンでの優勝は初めてであり、なおさら特別だ」
「レースウイーク、そして決勝を通して長く厳しい戦いが続いた。さまざまな課題やトラブルがあり、正直なところ勝利争いから遠ざかったと感じる場面もあった。それでも最後まで諦めなかったことが結果につながったと思う。チームがこの大きな成果を成し遂げるために積み重ねてきた努力に、心から感謝している」
●セバスチャン・ブエミ(8号車)
「信じられないようなレースだったし、チームのために本当にうれしく思う。昨年からTR010ハイブリッドを仕上げるために全員が懸命に取り組んできた。その中で7号車が優勝したことは、チーム全体にとって素晴らしい結果であり、自分たちも表彰台に並べたことを誇りに思う」
「特別な瞬間である一方で、もう少し上を目指せたのではないかという悔しさもある。それでも、このクルマで今季2勝目を挙げられたことはチームとして大きな成果だ。厳しい戦いの中で勝ち切ることができたこの一日は、長く記憶に残るだろう」
●ブレンドン・ハートレー(8号車)
「ル・マンらしい、浮き沈みの激しいレースだった。一時は大きなリードを築き、長い時間トップを走る場面もあったが、セーフティカーなどの影響もあって流れが大きく変わった。運もあれば不運もあり、最終的には自分たちの思い通りの結果とはならなかったが、最後まで全力で戦い抜いた」
「チームメイトも素晴らしい走りを見せてくれたし、チーム全体の勝利を心からうれしく思う。7号車クルーとドライバーのみんなに祝福を送りたい。感情が込み上げる瞬間だった」
●平川亮(8号車)
「24時間を通して接戦が続いたレースでした。私たちはベストを尽くしましたし、戦略も良かったと思います。完璧なレースではありませんでしたが、それでも最後まで優勝争いを続けることができました」
「7号車が優勝したことは本当にうれしい一方で、自分たちは長い時間トップを走りながら勝ち切れなかった悔しさもあり、複雑な心境です。ただ、7号車は素晴らしいレースをしましたし、チーム全員がこの勝利のために努力を続けてきました。まずはこの勝利をしっかり受け止め、喜びたいと思います」


