LMP2マシンとそのドライバーたちがル・マン24時間耐久レースで総合首位を走ったことは「レースにとって素晴らしいこと」だとFIA国際自動車連盟会長のジャン・トッドは考えている。
6月17~18日に開催されたWEC世界耐久選手権シリーズのハイライトであるル・マン24時間レースでは、3台のトヨタTS050ハイブリッドと、2台のポルシェ919ハイブリッドの5台すべてのマシンにトラブルが発生した。
レースは、序盤に上位を走行していたトヨタ勢が夜間に相次いで脱落。その後、トップを独走していた1号車ポルシェは、レース残り3時間のところで油圧系にトラブルが発生しリタイアとなった。
1号車ポルシェの脱落後、イオタ・スポーツが運営するジャッキー・チェンDCレーシングの38号車オレカ07・ギブソン(オリバー・ジャービス/トーマス・ローレント/ホー-ピン・タン)が総合首位に立ち、大きなリードを広げていく。
2号車ポルシェは、スタートから4時間が経過したところでフロントアクスルにトラブルが発生。トップから大きく遅れをとっていた。しかしレース終盤、驚異的なペースで追い上げ、トップを走っていたLMP2クラスの38号車オレカを追い抜くと、ポルシェにとって通算19回目のル・マン優勝を飾った。
ジュネーブで行われたFIAのスポーツカンファレンスでトッドは、LMP1マシン全車にトラブルが襲いかかったことよりも、LMP2クラスのマシンがレースをリードしたドラマの方がモータースポーツにとって好ましいと語った。
「レースは予測がつかないということがふたたび示されたのは良いことだ」とトッド。
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