WEC、2018年からの日程とLMP1規定の変更に着手。来季は1年強の長いシリーズに

　FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブは現地時間の9月1日、2018年からのカレンダーと、LMP1のレギュレーションについて発表した。18年からはル・マン24時間を最終戦としたウインターシーズン化するほか、LMP1のレギュレーションについても変更されている。

　今回の決定は、WECによれば「あるマニュファクチャラーの撤退発表がFIAとACOに、将来のための刺激的なビジョンを開発する機会を提供した」とされており、「プロトタイプとLM-GTE車両のエキサイティングな競争を継続するだけでなく、競合他社に将来のための実行かつ持続が可能なビジネスモデルを提供する、革新的な機能」が含まれているという。

■LMP1は“ひとつのカテゴリー”に

　まず、ACOは16年のアウディ、17年のポルシェと、相次ぐマニュファクチャラーの撤退にともないLMP1のレギュレーションの大枠を変更すると発表した。まず、18/19年シーズン以降、LMP1はこれまでのハイブリッドによるLMP1-H、非ハイブリッド車のLMP1-Lと異なり、ひとつのカテゴリーとされる。

　まず、LMP1の非ハイブリッド車両は、現在のLMP1-H車両のパフォーマンスレベルに整えられる。これはLMP1への参加を促すものとされる。また、LMP1に参入するマシンはいかなるパワーユニットとしても同じ性能を発揮するように整えられるが、ハイブリッドについては、燃料消費量について依然としてアドバンテージをもつという。

　現行のシャシー規定については変更がないが、ターボ、自然吸気を問わず、現在よりも多くのエンジンの選択肢が提供される。過去にディーゼルとガソリンの間で用いられたような同等の性能をもつような施策が用いられる。

　この規定は2020年までの2年間に用いられるものとしており、規定の継続性を考えると過渡的なものであるのは間違いなさそうだ。FIAとACOは、今回の規定変更に関し、「ハイブリッドを含む技術は依然として耐久レースにおいて最も名誉ある地位にあると確信しているが、LMP1-Hの最終年に投じられた予算はもはや持続可能ではなく、合理的な予算へ戻すことで、すべてのマニュファクチャラーがこの分野で競争できるようにすべき」とした。

■カレンダーはウインターシリーズ化。18/19年はル・マンが2回

　またカレンダーについては、シリーズのクライマックスである6月のル・マン24時間を“最終戦”とするウインターシーズン化したカレンダーに変更されることになった。ただし、2018/19シーズンについては過渡期として、5月4〜5日のスパ6時間を開幕戦として、18年のル・マン24時間が第2戦、そして19年のル・マンが最終戦となる1年以上をかけたシリーズとなる。

　カレンダーに入ったのはスパ、ル・マン、富士スピードウェイでの日本戦、上海、そして3月に開催される伝統の耐久クラシック、セブリング12時間が入った。セブリング12時間についてはIMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップの一戦でもあるが、開催は変則的で、土曜にIMSAの12時間レースが行われ、日曜にWECの12時間が行われる。

　WECでは、このカレンダー変更によって、LMP2の参戦チームの予算は現在よりも20％少ない、2016年と同等のものになるとしている。

2018-19年 WEC世界耐久選手権カレンダー