現在、ワークス体制でWorldRX世界ラリークロス選手権に参戦しているプジョー・スポールは10月4日、2018年シーズンに向けて現体制をさらに強化するとともに電気自動車によるE-WRXに向けた準備を進めていくとアナウンスした。
WRC世界ラリー選手権王者のセバスチャン・ローブを擁すプジョーは2014年に設立されたWorldRXにおいて、2015年にワールドチャンピオンを獲得。翌年もシリーズ2位につけ、シーズン後半戦が行われている今季もランキング上位でシリーズタイトル獲得を目指している。
そんなプジョーは2018年のモータースポーツ活動について4日、声明を発表し、現在成功を収めているWordlRXでの活動を強化すること改めてアピール。噂されていた2018/19年シーズンのWEC世界耐久選手権、LMP1への復帰には一切言及しなかった。
発表のなかで、プジョーはWorldRXの目指す先にあるものは我々のビジネス的成長戦略と完全に一致していると同時に、プジョー・スポールのノウハウを国際的にアピールする場所として、テレビ向きの選手権であるWorldRXへの参戦はメーカーとしてきわめて正当性のある選択であるとしている。
また、将来的に訪れるであろうカテゴリーのEV化について、2023年までに販売する市販車種の80パーセントを電化することを目指すプジョーは、E-WRXに向けて技術的なサポートをする準備ができているという。
このようなプジョーの発表を受け、これまで同社のLMP1復帰にむけて話し合いを重ねてきたACOフランス西部自動車クラブは、次のような声明を発表した。
「スポーツカーレース以外のプログラムに注力するというプジョーの決定について、我々はこれを受け入れて、スポーツカー部門の利益とコスト、技術の分野での妥当性を証明するため、今後も彼らと交わした約束を履行していく。そして、私たちと一緒に働く他のチームがそれらを証明することだろう」
「過去にも頻繁に起きているこのような状況を打開するため、近年必要とされる予算よりもはるかに少ないコストで参戦できるブルーリボンド・カテゴリーを追及していく」
「我々はこの自然サイクルに耐え、適切な対応を講じるつもりだ。カテゴリーの今後に向けたアプローチはこれまで以上に建設的であり、変化するグローバルな状況において、スポーツカーレースの魅力をより高めるためにより積極的な取り組みを行なっていく」