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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2017.10.15 16:52
更新日: 2018.09.25 14:01

WEC富士:濃霧による2度目の赤旗でレース終了。ピット戦略活かしたトヨタがワン・ツー

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ル・マン/WEC | WEC富士:濃霧による2度目の赤旗でレース終了。ピット戦略活かしたトヨタがワン・ツー

 静岡県・富士スピードウェイで開催されているWEC世界耐久選手権第7戦は10月15日、決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)が優勝した。2位に7号車トヨタTS050ハイブリッドがつけ、トヨタは第2戦スパ・フランコルシャン以来のワン・ツー・フィニッシュを飾っている。

 濃霧の影響でスタートから1時間18分が経ったタイミングで赤旗中断となったWEC富士の決勝。その後、サーキット覆っていた霧が晴れたことから、中断から約30分後の12時50分にセーフティカー(SC)先導のもとでレースが再開された。

 リスタート直後、LMP1-Hでは唯一ファーストスティントのピットインを引っ張っていた2号車ポルシェ919ハイブリッドがピットに戻ったことで、赤旗中断前に作業を済ませた8号車トヨタの一貴が総合首位に立つ。

 さらに、3番手を走っていた1号車ポルシェ919ハイブリッドが1回目のピットイン時に、オープニングラップのバトルのなかで破損させたフロントカウルを交換してタイムをロス。この影響で7号車トヨタTS050ハイブリッドが2番手に浮上、トヨタがワン・ツー体制を築いていく。

 スタートから約2時間経過時点でのトップは8号車トヨタ。19秒後方の7号車トヨタが2番手につけ、ペースの上がらないポルシェ勢はそこからさらに28秒後方の3番手に1号車ポルシェが、4番手の2号車ポルシェは8号車トヨタから1ラップダウンとなった。

 14時20分にはこのレース3回目のSCランとなるが、このタイミングで3番手の1号車ポルシェと、ワイパーが動かなくなるトラブルを抱えた7号車トヨタが同時にピットイン。

 1号車がルーティン作業でコースに復帰した一方、ステアリングを交換するなどの追加作業を強いられた7号車は通常のピットワークと比べて約1分ほど長くピットに滞在したため、2番手の座をライバルに明け渡してしまう。

 約25分間のSCランが開け、まもなくレース折り返しとなるころ、先のピットインで順位を入れ替えたニック・タンディ駆る1号車ポルシェと7号車トヨタのホセ-マリア・ロペスが2番手争いを展開。

 そんななか、2回目のピットインを引っ張っていた8号車トヨタがレース折り返し直後、グリーンフラッグ下でピットに入り3番手となるが、ふたたび視界不良によるSCランが導入されたことで上位3台の差はリセットされた。

 1号車ポルシェが総合首位で迎えた5回目のリスタートでは、ニック・タンディが背後に迫る2台のトヨタ勢の猛攻を凌ぐが、リスタートラップのアドバンコーナーでジャン-エリック・ベルニュ駆るCEFCマノーTRSレーシングの24号車オレカ07・ギブソンとマティアス・ベッシェがドライブする13号車オレカが接触し、体制を崩した13号車オレカがタイヤバリアに激しくクラッシュ。すぐさまSCが導入された。

 アクシデントから約15分後の14時47分、レースが再開されるとロペスがドライブする7号車トヨタと、一貴の8号車トヨタが相次いで1号車ポルシェを交わし、ふたたびトヨタ勢がワン・ツーとなっていく。

 その後、一貴の8号車トヨタはスタートから4時間を迎える直前に僚友7号車トヨタも攻略してトップを奪うと、徐々にリードを広げていき10秒以上のリードを築いていった。

 トヨタ勢が優勢のなかレースは終盤へと入っていくが、15時を回ったころから徐々に霧が濃くなっていき、最終的に残時間1時間41分となったところで、この日2回目の赤旗提示。各車ともホームストレート上に整列して、主催者側からの指示を待つことに。

 この中断は1時間以上続き、いったんマシンを離れるドライバーも多かったが、16時50分にレースを再開するとのアナウンスがあり、ドライバーたちもコクピットへ戻り始め、残り10分間のスプリント勝負へ気持ちを高めていく。

 しかし、リスタートまで5分を切った16時45分に、レースを再開しないとの掲示がなされ、赤旗のままレースが終了。8号車、7号車のトヨタ勢がホームレースでワン・ツーフィニッシュを達成した。3位は1号車ポルシェ、4位は2号車ポルシェだった。

 この結果、赤旗提示段階のリザルトが最終結果として適用され8号車トヨタの総合優勝が決定。2番手に7号車トヨタが入りトヨタがワン・ツーを達成。ポルシェ勢は1号車ポルシェが3位、ポールポジションからスタートした2号車ポルシェは4位に終わっている。

 LMP2クラスはスタート直後からレースをリードしたヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソン(ニコラス・プロスト/マティアス・ベッシェ/ブルーノ・セナ)が2017年シーズン2勝目をマーク。

 LM-GTEプロクラスではAFコルセの51号車フェラーリ488 GTEが好調ポルシェ911 RSR勢を抑えてクラス優勝を飾った。

 澤圭太を擁するクリアウォーター・レーシングが前日の予選でポールポジションを獲得し、決勝での活躍にも注目が集まったLM-GTEアマクラスは、レース中盤に同チームを交わしてトップに立ったスプリット・オブ・レースの54号車フェラーリ488 GTE(トーマス・フロー/フランシスコ・カステラッチ/ミゲル・モリーナ)が激戦を制している。


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