ACOフランス西部自動車クラブは2月9日、“スーパーシーズン”と呼ばれる2018/19年のWEC世界耐久選手権のシーズンエントリーリストを発表した。LMP1、LMP2、LM-GTEプロ、GTEアマの4クラスで計36台が名を連ねている。
2018年、WECは昨シーズン限りでポルシェがシリーズ最高峰のLMP1クラスから撤退したことを受け過渡期を迎えた。
ACOとFIA国際自動車連盟はシリーズを存続させるべくLMP1クラスのレギュレーションを新設定するとともに伝統のル・マン24時間レースをシリーズ最終戦とするウインターシリーズ化や、輸送費の観点から開催ラウンドを見直すなど、多くのエントラントにとって魅力的なカテゴリーとなることを目指したさまざまな改革を実施。
この内LMP1ハイブリッド搭載車とノンハイブリッド車の性能を均衡化させるテクニカルレギュレーションの変更は、これまでごく僅かに留まっていたLMP1プライベーターチームならびにコンストラクターを呼び込む起爆剤の役割を果たし、2018/19年“スーパーシーズン”のLMP1クラスは2012年のシリーズ発足以来最多となる6チーム合計10台の年間エントリーを集めることとなった。
そんな注目のLMP1クラスエントリーは、フェルナンド・アロンソの起用を正式発表したTOYOTA GAZOO Racingが唯一のワークスチームとして5つのプライベーターチームと対峙する形となる。
なかでももっとも競争力があると考えられている昨年のLMP2王者レベリオン・レーシングは、ドライバーにアンドレ・ロッテラーやニール・ジャニ、ブルーノ・セナといった有力ドライバーを数多く揃えたほか、LMP2クラスで無類の強さを発揮するシャシー『オレカ07』を開発したフランスコンストラクター、オレカと共同でマシンを製作する力の入れようだ。
また、早くからLMP1クラスの参戦を表明していたジネッタのシャシーを用いるマノーTRSレーシングは、CEFC TRSMレーシングとチーム名を変更してエントリー。ミカエル・アレシン、ビタリー・ペトロフなどを起用するロシアのSMPレーシングはトヨタ、レベリオン、TRSMレーシングと同様に2台体制を敷く。
一方、昨シーズンからニッサンVRX30Aをパワートレインに採用しているバイコレス・レーシングチームと、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからステップアップを果たしたドラゴンスピードはそれぞれ1台のみのエントリーとなった。