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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2018.05.05 20:28
更新日: 2018.05.05 22:42

【アロンソ密着WEC編】F1王者といえど初予選は苦戦。「FP3と予選では別のクルマになっている」

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ル・マン/WEC | 【アロンソ密着WEC編】F1王者といえど初予選は苦戦。「FP3と予選では別のクルマになっている」

“世界三大レース”のひとつであるル・マン24時間レースを制するため、TOYOTA GAZOO Racingに加入したフェルナンド・アロンソ。現役F1ドライバーにして二度のワールドチャンピオンのWEC参戦は、その発表前から大きな注目を集めてきた。そんなアロンソのWECデビュー戦、スパ6時間レースでの“大型新人”の戦い振りをお伝えする。

 5月4日(金)、いよいよ予選日を迎えたスパ・フランコルシャンサーキット。この日も当地は、爽やかな青空と眩しい日差しに恵まれ、最高のコンディションとになった。その中で、午後に行われた予選では、8号車トヨタTS050ハイブリッドにフェルナンド・アロンソが搭乗。WECでは初めてのアタックを敢行している。
 
 予選に先立つ3回目のフリー走行では、各チームが決勝に向けてのセットアップ作業に専念。8号車トヨタも中嶋一貴、セバスチャン・ブエミの順でロングランを行い、アロンソはセッション最後に5周ほどを走った。
 
 そこから3時間余りのインターバルを経て、午後3時35分からLMP(LMP1とMP2)クラスの予選が開始。プライベーターたちがコースに向かうのを横目に、トヨタはしばらくピットで待機していた。
 
 その間に、セッションは赤旗で中断。SMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERがシステムトラブルからターン4の先のケメル・ストレート上でストップしたためだ。
 
 この赤旗が解除されると、8号車トヨタは、アロンソがトップバッターでアタックを開始。注目される1周だったが、所々で縁石に乗り上げすぎるなどした影響からか、タイムは1分55秒143に留まり、僚友7号車トヨタのマイク・コンウェイがマークした1分54秒679には及ばなかった。
 
 その後、ピエトロ・フィッティパルディの大クラッシュによる2度目の赤旗を挟んで、2番手となる一貴がアタック。一貴は1分54秒781とタイムを伸ばすが、同時にアタックしていた7号車トヨタの小林可夢偉が1分54秒488と総合トップタイムをマーク。一旦はポールポジションをもぎ取ったかに見えた。
 
 しかし、7号車トヨタには再車検でフューエル・フロー・メーターの違反が発覚して全タイム末梢。8号車トヨタが繰り上がりでポールを得ることとなった。

 さて、その全タイム末梢が発覚する前だが、アロンソはアタックドライバーが全員参加するミックスト・ゾーンに登場。これはポールポジション記者会見が終わった後のブリーフィング・ルームで行われるWEC恒例のセッションだが、初体験のアロンソは室内に入って来るなり、一瞬「え? ここでやるの?」といった表情を見せた。大勢の記者に取り囲まれたアロンソは、初予選について、以下のように語った。

「ワンチャンスしかない予選だけど、今日は良かったと思うし、楽しめたよ。僕自身のアタックは、セクター2でオーバーステアが出て、タイムロスしているんだ。FP3では、すごく古いタイヤで最後は2分02秒しか出ていない。そこから予選ですぐクルマに乗り込んで、1分55秒で走るという状況だったから、クルマのポテンシャルを最大限に引き出すことができていないんだろう」

「F1の場合は、FP3で2~3セットほどニュータイヤを試してから予選に行って、Q1で2セット、Q2で2セット、タイヤを使える。その中で1周の完成度を上げて行けるんだけど、その点、今日は中古で走ったFP3からいきなりニューでの予選。タイムも全然違うし、別のクルマになっているんだ」

8号車トヨタTS050ハイブリッド
8号車トヨタTS050ハイブリッド


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