TOYOTA GAZOO Racingの2018年ル・マン24時間レース参戦概要発表会が5月19日、トヨタ池袋ビルで開催され、その中で中嶋一貴と小林可夢偉が参加するトークショーが行われた。
2018/19年のWEC世界耐久選手権は、前年の2017年限りでポルシェが撤退したことからトヨタが唯一のメーカーワークスチームとして最高峰のLMP1クラスに参戦しているが、そのライバルとしてアンドレ・ロッテラーを擁すレベリオン・レーシングや、元F1王者のジェンソン・バトンの加入を発表したSMPレーシングといったプレイベーターが、ル・マンの総合優勝を目指しシリーズに参入している。
ハイブリッドマシンを用いるトヨタと、プライベーターのノンハイブリッド車の性能差はFIA国際自動車連盟が決定するEoT(Equivalency of Technology)に委ねられており、この数値を巡って開幕前のテストから互いの腹の探り合いともとれる動きが見れてきた。
そんななか迎えたWEC“スーパーシーズン”開幕戦スパ・フランコルシャン6時間では、トヨタの2台がプライベーター勢のトップとなったレベリオン・レーシングを2周遅れにする圧倒的なペースをみせてワン・ツー・フィニッシュをを飾っている。
この結果について、昨年のWEC富士から4連勝という形でレースを終えた一貴は「冬のテストの間から、噂ではかなり速いと聞いていました。実際にどういう差になるのかはスパで走ってみないと分からない状況だったのですけど、結果としては(プライベーターに対して)アドバンテージを持って戦えたという印象です」と語った。
また可夢偉も「僕らのスピードがあまり変わっていないなか、スパに関しては予想よりも速くなかったですね」とコメント。
しかし「ル・マン(のレースウイーク)になると『もっと速くなってくるんじゃないかな』というのが本音で、やっぱりル・マンに向けては気を許せない状態だと思います」とライバル陣営を警戒している様子だ。
話題が今季のチーム体制に移ると注目の“大型ルーキー”フェルナンド・アロンソついて、ふたりから印象が語られた。
まず、8号車トヨタTS050ハイブリッドをシェアすることとなった一貴は「皆さんが(アロンソに)どんな印象を持たれているかは、僕もなんとなく分かっているつもりですけど(笑)、すごくいい意味で、彼が入ってきてもチームの雰囲気は変わっていないです」とアロンソがチームに溶け込んでいることを明かした。
「すごくフランクに話をしますし、本当にF1での印象とはまったく違って、耐久レース用の彼のモードがあるんじゃないかなと。ただ、クルマに対する要求は感心するくらい高いですし、意見もはっきり言ってくれるので、チームメイトとしてはやりやすいし頼もしい存在です」