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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2018.07.05 11:35
更新日: 2018.08.16 22:21

アメリカIMSAの現場から感じるWEC/ル・マン24時間2020年レギュレーションへの懸念

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ル・マン/WEC | アメリカIMSAの現場から感じるWEC/ル・マン24時間2020年レギュレーションへの懸念

 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)の2018年シーズン第6戦サーレンズ6時間オブ・ザ・グレンがニュー・ヨーク州のワトキンス・グレン・インターナショナルで開催された。

 同シリーズはアメリカのスポーツカーレース最高峰。主催はフロリダ州デイトナビーチに本部を置くIMSA(インターナショナル・モーター・スポーツ・アソシエイション)だ。

 ウェザーテックというのは、車のトランクやフロアに敷くラバー製トレイ。汚れた靴や濡れた靴を履いたたま乗っても車内のカーペットが汚れず、トランクやSUVの荷室も完全にカバーするので泥などでクルマが汚れずに済む便利なグッズで、多くの自動車メーカーのかなりのモデルに対して専用設計した製品を用意している。

 そのウェザーテックがタイトルスポンサーを務めるWSCCのトップカテゴリーはプロトタイプ(P)クラス。デイトナプロト・インターナショナル(DPi)と、FIA規定のLMP2マシンがここに含まれる。そして、WEC世界耐久選手権やル・マン24時間耐久レース同様にGTマシンも混走するレースを行っている。

 ワトキンス・グレン・インターナショナルにはP、GTル・マン(GTLM)、GTデイトナ(GTD)の3クラス合計42台が出場した。今回のレースで優勝したのはプライベーターの走らせるオレカLMP2マシンで、DPi勢のトップはアキュラの3位だった。

■バラエティに富むIMSAのトップカテゴリー

 参戦経費を抑えればバラエティに富むマシンが数多くエントリーし、ファンが見て楽しめるエキサイティングなレースを実現可能。1980~90年代にGTPというカテゴリーで大成功を納めた彼らは、自分たちの考え方に自信を持っており、2017年にDPiをスタートさせた。

 キャデラック、ニッサン、マツダの3メーカーがコンセプトに賛同してすぐさま参戦を始め、2018年はそこにアキュラ(ホンダ)が加わった。

 DPiは市販されているLMP2マシンをベースにしている。自動車メーカーが魅力を感じるよう、彼らにボディのモディファイを許した。

 キャデラックのDPiマシンは彼らのハイパフォーマンスラインであるVシリーズの特徴をよく表したものとなっており、アキュラのマシンもNSXやアキュラブランドで展開する市販車のイメージを上手に取り入れている。

 シャシーは現在の出場4メーカーそれぞれが異なるブランドを選んだ。キャデラックはイタリアのダラーラ、ニッサンはフランスのリジェ(オンローク・オートモービル)、マツダはアメリカのライリー/マルチマチック、アキュラはフランスのオレカで、各コンストラクターの協力もレースを戦う上で重要なポイントとなっている。

 IMSAは各自動車メーカーが望むタイプのエンジンの搭載も許している。キャデラックはいかにもアメリカンな自然吸気の大排気量V8(6.3リッターでスタートし、今年5.5リッターに変更)を選び、マツダはコンパクトな2リッター直列4気筒ターボをチョイス。ニッサンはGT-Rの3.8リッターV6ツインターボを選択し、アキュラは型式は異なるもののNSXと同じ3.5リッターV6ツインターボ(ハイブリッドではない)をセレクト。

 エンジンが違えばエキゾーストサウンドも各社独特のものになる。DPiはバラエティ豊富なマシンが競い合う点も大きなセールスポイントとなっている。

■競争の存在しないレースほどつまらないものはない

IMSAのDPiにはキャデラック、ニッサン、マツダの3メーカーに2018年からアキュラが加わった
IMSAのDPiにはキャデラック、ニッサン、マツダの3メーカーに2018年からアキュラが加わった

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