ヨーロッパの人気GT3レース、ブランパンGTシリーズの第8戦ブダペストが9月1~2日、ハンガリーはハンガロリンクで行なわれた。スプリント形式の今戦、レース1はGRTグラッサー・レーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3(クリスチャン・エンゲルハート/ミルコ・ボルトロッティ組)が優勝、翌日のレース2ではAKKA ASPチームの88号車メルセデスAMG GT3(ミハエル・メドウズ/ラファエル・マルチェッロ組)がウエットレースを制している。
上空から日差しは降ってくるものの、路面は雨で濡れている状況で迎えた土曜のレース1。タイヤ選択が分かれる可能性もあったが、各チームはピットストップ義務以外のタイムロスを嫌い、ほぼ全車がスリックタイヤでグリッドを離れていった。
1周のフォーメーションラップを終えてAKKA ASPチームの90号車メルセデスAMG GT3を先頭にレースがスタート。すると直後、5番手グリッドから抜群のスタートを決めた63号車ランボルギーニが1コーナーまでに上位4台をパスしてトップに躍り出る。
エンゲルハート駆る63号車ランボルギーニはオープニングラップだけで後続に4.4秒の差をつけると、その後もぐんぐんとギャップを築いていく。
その後方では、唯一ウエットタイヤを装着して12番手スタートした3Yテクノロジーの37号車BMW M6 GT3が、3番手に順位を落とした90号車メルセデスと2番手のAKKA ASPチーム、87号車メルセデスAMGのメルセデス勢を3周目までに交わして2番手に浮上。しかし、急激に乾いていく路面コンディションは37号車BMWを味方せず。その後ペースダウンを余儀なくされた3Yテクノロジーの大博打は失敗に終わった。
レース中盤のピットストップ後も63号車ランボルギーニが首位を堅持する一方、87号車メルセデス以下の表彰台争いは激しさを増していく。このなかで光る走りをみせたのはAKKA ASPチームの88号車メルセデスAMG GT3を駆るラファエル・マルチェッロだ。
ピットアウト後、5番手でコースに復帰したマルチェッロは、19周目にベルジャン・アウディクラブ・チームWRTの2号車アウディR8 LMS、90号車メルセデスを立て続けに攻略して3番手にポジションを上げると、レース終盤にかけて最大9秒近くあった僚友87号車メルセデスとのギャップを1.3秒にまで縮めてみせる。
このプレッシャーに飲み込まれたのかチェッカーまで残り2分となった32周目、2番手を走る87号車メルセデスが13コーナーでまさかの単独スピン。これによってマルチェッロは労せず2番手を得た。
レースは1周目からリードを築いた63号車ランボルギーニが33周終わりにトップチェッカーを受け、開幕戦ゾルダーのレース1以来となる2018年シーズン2勝目をマーク。88号車メルセデスが2位に入り、スピンを喫した87号車メルセデスは3位/シルバーカップ1位でのフィニッシュとなった。