2018/19年WEC世界耐久選手権は10月12日、第4戦富士の走行初日を迎え同日、2回のフリープラクティスが行われた。シリーズ最高峰のLMP1クラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingは両セッションでセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ組の8号車トヨタTS050ハイブリッドと、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタが総合1番手、2番手を獲得。13日の予選に向け好スタートを切った。
トヨタにとって母国レースとなるWEC富士。過去6戦5勝と相性のいい“地元”富士スピードウェイで2年続けてのワン・ツー・フィニッシュ達成を狙うチームは、コース上に設置された縁石トラブルの影響で長時間の赤旗中断を受けたFP1、FP2で精力的に周回を重ね、同時に両セッションでトップ2を独占してみせた。
今戦の直前に変更されたEoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)よって、トヨタが走らせるLMP1カー『トヨタTS050ハイブリッド』は、これまでよりも26kg重い904kgという車両最低重量で戦うことを余儀なくされる。これはライバルのノンハイブリッド勢に対して圧倒的なパフォーマンスを示しているトヨタのマシンとLMP1プライベーターが使用するマシンのバランスを取るための処置だ。
この重量追加への対応とマシンの最適化のため、チームは限られた時間のなかでエアロパッケージやハイブリッドシステムの確認を実施し、さらにタイヤの評価も行なっている。
2台あわせて146周、距離にして666kmを走破した2台のトヨタTS050ハイブリッドはFP2で、8号車トヨタを駆るアロンソが予選用ブーストを使い1分23秒973というタイムをマーク。この日の最速ラップを記録すると、7号車トヨタをドライブするロペスも1.095秒差の総合2番手に続き、ブエミと可夢偉がトップ2を占めたFP1に続いて好調をアピールした。
チームは引き続きデータ分析を行いながら、13日のフリープラクティス3回目でさらに調整を進め、同日14時30分から行われる公式予選に備える。