今年のル・マン24時間でワンツーを決めたふたりがそれを支えたエンジンオイル「モービル1」の充填ラインを見学。併せて「鶴見潤滑油工場」全体も見て回った。すると可夢偉がオイルの役割のたとえで新説を……。
※工場内では特別な許可のもとで撮影しています。
──まず、「モービル1」と聞いて、どんなイメージを?
一貴:TOYOTA GAZOO Racingのドライバーとしてとても言いにくいのですが、(全日本GT選手権で走っていた、ナカジマレーシングの)Mobil 1 NSXのイメージが強くて(笑)。家がお世話になっておりました。恐縮です(笑)。
可夢偉:載せにくいじゃない(笑)。
──あの「マイナス40度では……」というテレビCMはご存じですか?
一貴:はい。僕がギリギリ、あの世代かな。CMのイメージはありますね。
──今回は充填ラインを見てもらいましたが、興味津々という感じでしたね。
一貴:純粋にとても楽しかった。潤滑油工場自体は意外にコンパクトに出来ているんだなと。ただ、オイルの缶は多くの種類があったから、作り分けでは神経を使いそうですね。
可夢偉:僕はオイルが一滴もこぼれないで缶にスッと入っていくところが印象深かった。あれは気持ちいいくらい。
──ラボではベースオイルと添加剤のブレンドを体験。スペシャルオイルを作れそうな雰囲気でした。
一貴:僕が作ったオイルを売りますか(笑)。ブレンドした材料は4〜5点でしたが、材料を選ぶ前の段階から目的に合わせてさまざまな研究をされているのでしょうね。それよりも、ラボでは可夢偉がすごく楽しんでいました。
可夢偉:僕は匂いフェチなので(笑)。見て思ったんですけど、オイルは調味料みたいなもんやなって。多くの種類の添加剤をブレンドするじゃないですか。たとえば、いまはエンジンの技術が進んでいるからエンジンの特性に合ったオイルを使うという形だろうけど、昔はいまほど技術が進んでいなかったから、オイルでカバーしてもらっていた部分もあったんじゃないかなって。いいベースオイルがあってこそだろうけど、金属が擦れ合うところをスムーズに“調えて”くれるから調味料。
一貴:可夢偉らしい話(笑)。