FIA国際自動車連盟は11月16~18日、中国の上海国際サーキットで開催されるWEC世界耐久選手権第5戦用の性能調整、EoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)およびBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)を11月7日付けで公表した。
2018年から2019年にまたがって開催されているWEC“スーパーシーズン”では、トヨタが走らせるハイブリッドマシンと、レベリオン・レーシングらLMP1プライベーター勢のノンハイブリッドマシンの競争力を調整するEoTが設けられ、各ラウンドごとにその数値が更新されている。
今回発表された最新版はLMP1ノンハイブリッド勢にのみ再調整が入っており、前戦の富士戦と比較して1周あたりの使用可能エネルギー量の上限が大きく引き上げられた。また、あわせて燃料タンク容量も増加したほか、割合としては小さいものの給油リストリクター径も広げられている。
具体的には、レベリオンとドラゴン・レーシングが走らせる自然吸気エンジン搭載車は95.6MJ/Lapという最大使用エネルギー量に。SMPレーシングとバイコレスのターボエンジン車は89.7MJ/Lapとなる。トヨタのハイブリッドマシンとの比率では前者が約72%、後者が約61%のアドバンテージを持つことになるが、この数値は第3戦シルバーストン用のEoTとほぼ同じ比率だ。
同様に1スティントあたりの燃料搭載量も第3戦の数値と近似し自然吸気車は56.5kg、ターボ車ではシルバーストン戦時とまったく同じ52.8kgに設定されている。
“スーパーシーズン”の開幕後初めてトヨタTS050ハイブリッドの調整値に変更がみられた第4戦富士でも、シルバーストン戦と同じくトップに4ラップ差をつけられたLMP1ハイブリッド勢。今回の調整をもってしてもトヨタ優位という大勢に影響はないと考えられるが、数字上ではそのギャップがいくらか縮まるはずだ。