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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2019.04.22 12:53
更新日: 2019.04.22 13:09

“GTEプラス”コンセプトが再浮上。ハイパーカー規定に代わるWEC/ル・マンのトップカテゴリーに?

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ル・マン/WEC | “GTEプラス”コンセプトが再浮上。ハイパーカー規定に代わるWEC/ル・マンのトップカテゴリーに?

 WEC世界耐久選手権/ル・マン24時間の統括団体であるFIAとACOフランス西部自動車クラブが、2020/2021年に向けた車両レギュレーション策定をすみやかに締め切ろうとしているさなか、既存のGTEおよびGT3マニュファクチャラーの間で、アップグレードされたGTEマシンをWEC/ル・マンのトップカテゴリーとして参戦させるプランコンセプトが再度議論されている。

 “GTEプラス”、または“スーパーGTE”と呼ばれているこのコンセプトは、WECの2020/21年シーズンに導入予定のいわゆる“ハイパーカー規定”を補完するもの、またはその代替案として最近、ワーキンググループのミーティングで大手自動車メーカーによって再度提案されたものだ。

 詳細な情報はそう多くないが、このコンセプトは既存のLM-GTEカーのパワーを約200馬力ほど増大させるなど、そのスペックを現行規定よりも緩和させるもの。それとともにマシンには空力とボディワークの改良も施され、ACOが最近修正したサルト・サーキット1周を3分30秒で周るという目標ラップタイムを、市販車ベースのGTマシンが達成できるようになるという。

 同コンセプトはFIAやACOへ正式な提案はされておらず、まだ議論の段階にあるようだが、大多数の既存GTEマニュファクチャラーがこれを支持していると考えられている。

 あるGTEマニュファクチャラーの代表者によると、このコンセプトは既存のターボチャージャー付きマシンにとっては技術的に実現可能だが、ポルシェのように自然吸気エンジンを採用しているマニュファクチャラーは、必要とされる700馬力レベルの出力を引き出すにあたって、問題に直面する可能性があるという。

 2019年9月に更新される、次のGTE規定の下でデビュー予定の新世代ポルシェ911 RSRは、またも自然吸気エンジンが採用されと予想されている。

 マクラーレン・レーシングのCEOザック・ブラウンと、ランボルギーニ・モータースポーツの代表ジョルジョ・サナのふたりは最近、“GTEプラス”についての話し合いが行われていることを認めている。だが、ブラウンは改良版GTEマシンよりも、市販車ベースとしたハイパーカーがル・マンのトップカテゴリーを争うことをを支持している。

 一方、ランボルギーニはGTEクラスに参戦する可能性については保留にしており、レギュレーションの策定に関わる展開を見守っている状況だ。

「今後数カ月以内に、この種の新たな可能性のあるカテゴリーが、どのようなものになるかが分かるだろう」とサナ。

「まずは、我々が現在評価しているカテゴリーについて、テクニカルレギュレーションの明確なビジョンを知る必要がある」

■2020/21年規定のデッドラインは2019年5月

フォードは2019年限りでワークスによるGTプログラムを終了することが決定している
フォードは2019年限りでワークスによるGTプログラムを終了することが決定している

この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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