まもなく開幕を迎える2019年ル・マン24時間の舞台フランス、サルト・サーキットには、今年もレース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平が潜入中。現地からお届けしているブログの第4回目はル・マン・ミュージアムを舞台に、90年以上の歴史を感じ、伝統の耐久レースへの愛を深める『番外編』となります。
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日本のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。日本では富士24時間レースも終了し、東京も梅雨入りしたと聞いております。
ここル・マンでも連日冷たい風、雨が降り荒れ模様となっております。私もロールアウトテスト終了後に体調を崩し、しばらく寝込んでおりましたが、どうしても『ル・マン・ミュージアム』を見たくリハビリがてら、お土産を買うついでに行って参りました。
いよいよ本番の走行が開始となる第87回 ル・マン24時間。今ブログはその前にちょっとだけ、その長い歴史に触れ、ル・マン24時間への“愛”を深めるブログとしたいと思っております。
歴史に興味がある方も、そうでもない方もどうぞお付き合い頂ければと思います。それではル・マン24時間ブログ番外編“ル・マン・ミュージアム編”いってみましょう。
ル・マン・ミュージアムはブガッティ・サーキットの正面ゲート横にあります。中にはお土産屋さんも併設されており、昔はACOフランス西部自動車クラブの記者会見などもこの場所で行われました。
普段我々はレースモードですのでここには目もくれず通過しますが、本日はここが目的地です。
入って右手にお土産コーナーがあり、そこでチケットを買います。大人ひとり8.5ユーロ(約1050円)。希望者には英語とフランス語の音声ガイダンス機を貸してくれます。
それではル・マン24時間の歴史の旅、スタートです! まず、右手前にある白い物体、これは1932年、現コースの原型となったコースのコースサイドに設置された距離表示板。およそ90年程の前のモノですが素晴らしいコンディション、もちろん触って大丈夫です。
奥には1923年、最初のル・マン24時間の旗振り役、ジョルジョ・デュランさん、そしてあのブガッティを興し、ブガッティ・サーキットの名の由来ともなっているエットール・ブガッティさんの紹介などが続きます。
こちらではそのブガッティさんが着用していたハットが展示されています。ハットの下にはサインが印刷されたハンカチが。
歩を進めましょう。こちらはポルシェ創設者、フェルディナント・ポルシェ博士の長男、通称フェリー・ポルシェさん。ポルシェの黄金期、956・962Cの頃のポルシェの社長さんであります。
この時代、車両開発者のノルベルト・ジンガーさんやジャッキー・イクスなどが目立ちますが、この人あってこそのレース活動。ポルシェ956のプレゼンテーションモデルとともに功績を称えられています。
人物紹介コーナーを抜けると1923年に行われた第1回ル・マン24時間の巨大ポスターと優勝マシン『シュナール&ワルケル・スポーツ3リットル』が出迎えてくれます。この車両、どこまでオリジナルかは分かりませんが、しばし見入り歴史に想いを馳せます。
こちらは1925年のル・マンで初めて投入されたプロトタイプカー、シュナール&ワルケルの『タンクZ1スペシャル』。いわば現代のLMP1・P2クラスの祖先ともいえる車両でしょうか。
レースとは関係ありませんが、1956年にパリ~東京を往復(!)した『シトロエン 2CV』も展示されています。