ランボルギーニは近い将来、WEC世界耐久選手権の“”ハイパーカー規定とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の“DPi 2.0”、いずれかの次世代トップクラスでプロトタイプカープログラムを開始したいと考えている。
Sportscar365はイタリアのマニュファクチャラーが、いわゆるDPi 2.0プラットフォームについてIMSAと、また、先月ル・マンで発表されたハイパーカー規定についてFIA国際自動車連盟、ACOフランス西部自動車クラブの双方と協議を進めていることを認識している。しかし、この議論はまだ調査段階のレベルのようだ。
ランボルギーニ・モータースポーツのジョルジオ・サンナ代表によれば、このようなプログラムは早くても2022年までは開始されず、今後数年間は現在行っているFIA-GT3などのカスタマーレーシングが活動の中心になるという。
その一方で、「ランボルギーニはつねに新しい挑戦に立ち向かうことを望んでいる」と語ったサンナは、「DPiやハイパーカーあるいは、他のトップカテゴリーには、私たちが愛すべきチャレンジがあるんだ」と続けた。
「数年前、我々はFIA-GT3でハイレベルな戦いをしたいと考え、現在までに成功を収めている。今、私たちはまた異なる欲望と目標を持ち、何ができるのかを検証しようとしている」
サンナは、DPi 2.0とハイパーカー規定のどちらも高級スポーツカーブランドにとって「興味深いシナリオ」だと考えているが、後者についてはプログラムに掛かる将来的なコストをFIAとACOが明らかにするのを待っている状態だと述べた。
FIAは昨年12月、2000~2500万ユーロ(約24~30億円)というWECの年間コストを算出したが、Sportscar365はこの数字がここ数カ月で大幅に上昇したことを理解している。
一方、IMSAのDPiメーカーが現在掛けている予算は、年間1000万ドル(約10億円)以下ほど。このことに加えて、バランスの取れたテクニカルレギュレーションが構築されている点、さらに露出が高いことをポイントに挙げたサンナは同カテゴリーを「非常によくできている」と評価している。
また、彼はランボルギーニが、次世代規定の形成に役立つIMSAのステアリングコミッティ(運営委員会)の会議に参加していることを認めた。
「(新しい)DPiカーは2022年に登場することになるだろう。すなわち、我々には時間がある。それはちょうどいいタイミングだ」とサンナ。
「ランボルギーニは今後2~3年後を目安に、現在のGT3とスーパートロフェオというふたつのエキサイティングなプラットフォームを統合する必要がある。これは多くのメリットをもたらすと考えているんだ」
「しかし、その時間は今後数年間、我々がトップレベルカテゴリーに向けた準備を進めるのに適切な時間でもあるんだ」
「(あくまでも)これは願望だ。まずは新しいカテゴリーへの挑戦を、可能にするためのソースがすべて揃っているかどうかを確認する必要がある」