7月8日、WEC世界耐久選手権は2019/20年シーズンに向けて7月23~24日、スペインのカタロニア・サーキットで行われるWEC“プロローグ”の暫定エントリーリストを発表した。
WECの公式プレシーズンテストであるプロローグは、イタリア・モンツァで行われた2017年を除いて、例年フランスのポール・リカールで開催されてきた。しかし、今季はその舞台がスペイン・バルセロナに。WEC公式イベントが同地で行われるのはこれが初めてのことだ。
そんな2019/20年のプロローグテストには、フルシーズンエントリーしている31台中30台のマシンが参加予定。GTE Amクラスを中心に、まだドライバー欄にはTBAが目立つものの、2週間後に迫ったプレイベントに向けて、各チームの体制が少しずつ明らかになっている。
既報のとおり、SMPレーシングがエントリーを取り消すことになったLMP1クラスは、王者TOYOTA GAZOO Racingを含む計6台がエントリー。トヨタのドライバーラインアップは昨季と基本的に変わらないが、フェルナンド・アロンソが抜けた8号車トヨタTS050ハイブリッドにブレンドン・ハートレーが加わった。
同クラスへ新規参戦するチームLNTは、いずれもシルバーランクドライバーのシャルリエ・ロベルトソン、マイケル・シンプソンが5号車と6号車、計2台のジネッタG60-LT-P1・AERをテストする予定だが、同じく2台体制となるレベリオン・レーシングはドライバーを明らかにしていない。
LMP2クラスはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズから、ユナイテッド・オートスポーツ、ハイクラス・レーシング、クール・レーシング、チェティラー・レーシングという4チームが新たに世界選手権へのステップアップを果たす。
このほか、既存チームではレーシングチーム・ネーデルランドのシャシーメーカー変更や、ロベルト・ゴンザレス、パストール・マルドナド、アンソニー・デビッドソン組がドラゴンスピードからイオタに移籍するなどの動きがみられる。
BMWとフォードがシリーズを去ったLM-GTE Proは、アストンマーティン・レーシングが1台のみの持ち込みとしたことで参加台数が最少の5台に。
テストではAFコルセのフェラーリ488 GTE Evo、ポルシェGTチームの新型ポルシェ911 RSRが各2台、そして1台のみ参加のアストンマーティン・バンテージAMRが、各マニュファクチャラーのワークスドライバーたちのドライブで出走する予定だ。
対してLM-GTE Amクラスは“スーパーシーズン”比プラス2台、最多11台を数える。前述のとおり、現時点ではまだTBAが多いなかで、イギリス国籍のニューカマー、レッドリバー・スポーツはボナミー・グライムスとジョニー・モウレムがエントリーリストに名を連ねた。
日本チームとして同クラスに唯一参戦しているMRレーシングは、来シーズンを見据えたテストでも石川資章、オリビエ・ベレッタ、エドワード・チーバーというデビューイヤーと同じ布陣を継続している。