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投稿日: 2019.07.11 12:48

「もしトヨタにチームオーダーが出ていたら……」。ル・マンの知られざる真実・勝手にベスト4


ル・マン/WEC | 「もしトヨタにチームオーダーが出ていたら……」。ル・マンの知られざる真実・勝手にベスト4

 2019年大会も各クラスで名シーンが見られたル・マン24時間レース。少々時間は経ちましたが、時の経過とともに明らかになる真実もあるというもの。ここでは『ル・マン24時間2019』(7月10日発売)編集部による、“知られざる真実・勝手にベスト4”をお届けします。

<7号車「ミスジャッジ」の遠因と可夢偉の気遣い>

7号車「ミスジャッジ」の遠因と可夢偉の気遣い
7号車「ミスジャッジ」の遠因と可夢偉の気遣い

 残り1時間というところでスローパンクチャーを起こした7号車トヨタTS050ハイブリッド。センサーの配線ミスにより、パンクしていないタイヤのみを交換してコースに戻ったため、翌周にもピットインを強いられ、首位を8号車トヨタに受け渡してしまいました。

 その遠因は、予選1日目にマイク・コンウェイがLMP2マシンとクラッシュし、モノコック交換に追い込まれていたことにあった可能性があります。悲劇の主人公のひとりとなってしまった小林可夢偉はしかし、こう語ってチームのミスをフォローします。

「じつは、Q1後にシャシーを交換しているんです。クルマが組み上がったのはQ2に出る10分前、暖気をし終えたのは3分前でした。Q2を走れたことがすごいことで、間に合わなかったらPP(ポールポジション)も獲れていなかった。今回のことは、バタバタの流れがあったから起きてしまったんじゃないかと思います」。

 ここでコンウェイの名前を出さないあたりにも、可夢偉らしさを感じます。

<もし、トヨタにチームオーダーが出ていたら……>

中嶋一貴がル・マンをふり返るインタビューも掲載
中嶋一貴がル・マンをふり返るインタビューも掲載

 ル・マン2連勝を飾り世界タイトルを手にした中嶋一貴は、7号車のパンクチャー後の心境について、「もし『7号車を先に行かせて』と言われたら、僕は行かせたと思う」とレース後に語っていました。

 ただしその瞬間、コクピットの一貴の脳裏にはフェルナンド・アロンソ、そしてセバスチャン・ブエミというふたりのチームメイトの顔が浮かび、こう思ったそうです。「あいつらだったら、絶対にノーと言うだろう」。

 最終ラップまで8号車と7号車は同一周回。最終ラップに入る際、2台並んでのパレードができない状況であること悟った一貴は、無線でチームに「このままスローダウンしないで行くから」と伝えます。それを聞いて、ふたりのチームメイトは心底ホッとしたとか。

<「暖簾じゃ、食えない」――ポルシェの伝統は“勝つこと”>

「勝つ」伝統を守ったポルシェ
「勝つ」伝統を守ったポルシェ

 ポルシェ911RSRがエンジンを“ミッドシップ化”してル・マンに登場したのは2年前(当のポルシェは“ミッドシップ”という単語はいっさい使っておらず、「エンジンはリヤアクスルの前に搭載」といった表現をしていますが……)。

 911のアイデンティティでもあったリヤエンジン(=リヤオーバーハングにエンジンを搭載)から脱却することは大きな決断だったわけですが、開発責任者によれば「ポルシェの伝統は、2位や3位になることではなく、勝つことだ」。つまり、リヤエンジンが伝統なのではなく、あくまでも「勝つこと」が伝統。そのためには手段を選ばない……というところから、開発がスタートしたのだといいます。

 その甲斐あって2シーズン目にあたる18-19シーズンでは、Wタイトルを獲得。ル・マンの現場にディスプレイされていたエンジン実機も圧巻といいますか、とても誇らしげでした。

<ル・マンの戦いは1カ月前から始まる>

ル・マンではレース1カ月前からチームの下準備がスタート
ル・マンではレース1カ月前からチームの下準備がスタート

 ル・マンではピットガレージ内からピット裏、さらにはホスピタリティテントやドライバーの休憩部屋まで、ありとあらゆるものが「設営」されます。最初の機材がサーキットに到着するのは、なんとレースの1カ月前(!)。

 その後、マシンや設備、スタッフはどう動くのか? あまり知られていませんが、テストデイ明けの火曜日にはブガッティ・サーキットで「ロールアウトテスト」なるものが行なわれます。

 トヨタでは伝統的に日本人ドライバーふたりがこれを担当。理由は「一度帰国してしまうと、時差ボケ克服が手間だから」。そんな理由もあって、日本人ドライバーふたりの“仕事量”は増えるみたいです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ 

 と、さまざまな方面から今年のル・マンにまつわる話題をご紹介してまいりましたが、より詳しくは7月10日に発売となったACO公認オフィシャルマガジン『ル・マン24時間2019』をご覧ください!


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