灼熱のスペイン・バルセロナはカタロニア・サーキットから、WEC世界耐久選手権の最新情報をお届けする現地ブログ。第2弾となる今回は、走行前日に実施されたトラックウォークに参加したオートスポーツ編集部スポーツカー担当・ナカノの激走もとい、激“歩”記録を交えながら、WECではおなじみの全車集合写真ができるまでの裏側をご紹介します。
それでは現地ブログ2回目『走行前日から激“歩”7kmの巻』、スタートです!
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WECプロローグ@バルセロナからのブログ第2弾を、お届けしましょう。7月23日現在、サーキットではテスト走行が開始され、1日8時間と各車がたっぷり、どっぷり走りこんでおりますが(なかなか一日が終わりません……)、引き続き走行前日の様子をお伝えします。ちなみに、走行初日13時現在の気象状況はこんな感じ。気温33度、路温43度と、なかなかお暑うございます。
まずは、改めてですがカタロニア・サーキットをご紹介。WEC公式資料によれば、1周は4.655km、16個のコーナーで構成されております。今回は、山下健太選手をはじめとしたハイクラス・レーシングのみなさま(と一部トヨタスタッフのみなさま)とコースウォークにでかけましょう。
といっても、チームのコース下見に勝手についていくだけなのですが。ちなみに、走行前日には必ずこのコースウォークの時間が設定されます。
15時17分、気温は30度オーバー。強烈な日差しのもと、山下選手は水のボトル2本を手にして準備万端。ナカノも500ml×2本をカバンにしのばせ、いざピットロードからコースへ出陣です。
F1の中継などで1コーナーからの映像をご覧の方はお分かりかと思いますが、ストレートの途中から1コーナーにかけては、下りとなっております。国内ですと、鈴鹿に近いイメージでしょうか。
個人的には、1991年のセナvsマンセルの名バトルが脳裏をよぎり、アツい気持ちがこみ上げてきます。2台が文字どおり火花を散らしてバトルしていたあの頃、F1は本当にアツかった。当然ながら、95年生まれの山下選手はそんなワタクシの感傷などお構いなしに、コース習熟に努めるのであります。
ふと、うしろを見やると、陽炎の向こうに黄色のアストン軍団、さらには赤&黒のレベリオン軍団が、なぜかストレート幅いっぱいに広がりながらこちらに迫ってくるのが確認できました。ワイドすぎます。
そして最初の難関が、ターン2から3。映像や写真だと分かりにくいと思いますが、結構登っています。ギラギラの太陽に照らされたアスファルトも大層熱く、靴の裏から伝わる熱で早くも足の裏がギブアップ気味。縁石や、その外側の人工芝の部分を選んで歩きます。
ターン4入り口までやってきました。パターソン選手、フィヨルドバッハ選手とともに歩く山下選手の背後に、アストン軍団が迫ってきています。このターン4出口からターン7にかけては一転、ぐんぐん下っていきます。ターン5は下りながらの左急カーブで、つづら折りの山道のよう。ドライビングも難しそうです。
下りから再び登りへと転じるターン7手前で、アストン軍団にオーバーテイクされました。ターン7イン側の“おしおきバンプ”は、まるでマーブルチョコのよう。
そしてアストン軍団のさらに前方を見やると、アストンのワークスカメラマンであり、本誌にも度々ナイスな写真を貸してくれる、ドリュー・ギブソンが横たわってました。路温は50度ちかくあるはずですが、それをものともせず横になってます。芸術作品はこうして生み出されるのです。アツいぜ、ドリュー。