IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦バージニアの決勝レースが8月25日、バージニア・インターナショナル・レースウェイ(VIR)で行われ、ポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSR(パトリック・ピレ/ニック・タンディ組)が僚友912号車ポルシェとの一騎打ちを制して総合優勝を飾った。
1シーズンに2度行われるスペシャルラウンドの2回目、VIRに毎年恒例の“GTオンリーイベント”が戻ってきた。第8戦ライムロックパーク以来、2戦ぶりに行われる同フォーマットでは、プロトタイプカーを使用するDPiクラスとLMP2クラスが不在となりGTル・マン(GTLM)、GTデイトナ(GTD)の2クラスのみで2時間40分のセミ耐久レースが争われる。
決勝を前にして24日に実施された予選では、両クラスともポルシェユーザーがポールポジションを獲得。GTLMクラスはポイントランキング首位につける912号車ポルシェ911 RSRのローレンス・ファントールが、GTDでは2連勝中のパフ・モータースポーツが走らせる9号車ポルシェ911 GT3 Rが最前列からスタートを切った。
今戦においては最高峰クラスとなるGTLMはそのスタート直後、6番手スタートながら1コーナーを大外から回り2番手にジャンプアップを果たした911号車ポルシェが、僚友912号車ポルシェに続き、いきなりポルシェ勢がワン・ツー体制を築く。
勢いに乗る911号車ポルシェは、レース開始から18分後に出された最初のフルコースコーション(FCY)中のピット作業で僚友を交わして首位に立つと、そのまま約1時間に渡ってトップを快走した。
しかし、2度目のピットタイミングではチームメイトの912号車にオーバーカットを許し2番手に後退する。2台のポルシェは3番手を争うコルベット・レーシングとフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの争いを尻目にその差を徐々に広げていった。
スタートから1時間56分、2番手につける911号車が2度目のピットイン。第2スティントを任されたピレからタンディに再スイッチしてコースに復帰する。その4分後、2時間を超えたところで首位の912号車ポルシェも最後のピットに入るが、バンバーのピットアウト時には911号車を駆るタンディがチームメイトを逆転して再度トップに立っていた。
その後、チェッカーまで残り20分あまりとなったところで、キャサリン・レッグ繰るマイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の57号車アキュラNSX GT3 Evoがクラッシュ。この影響で2度目のコーションが出されポルシェ勢が後続に築いた約30秒のギャップが消滅したものの、タンディはリスタート後のスプリントレースでもライバルに隙を与えず。そのまま僚友912号車ポルシェを従えて2時間40分レースのトップチェッカーを受けた。
3位には終盤、66号車フォードGTと接触しながらのバトルを演じた3号車コルベットC7.Rが入った。4号車コルベットが4位となり、66号車と67号車のフォードGT勢は5、6位に。BMWチームRLLの24号車、25号車BMW M8 GTEはペースが上がらずクラス最後尾の7、8位に終わっている。