8月31日、イギリス・シルバーストンでWEC世界耐久選手権2019/2020年シーズン開幕戦シルバーストンの公式予選が行われ、2台の新型トヨタTS050ハイブリッドでタイトル防衛に挑むTOYOTA GAZOO Racingはマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組7号車とセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー組8号車が予選1、2番手を獲得。決勝グリッドのフロントロウを独占した。
現地時間12時過ぎにスタートした予選では、まず2017年シーズンから2年連続でポールポジションを獲得している7号車のコンウェイがアタックに入り、その時点でのトップタイムとなる1分36秒038をマークする。
コンウェイのピットイン後、今度は可夢偉がマシンに乗り込み計測へ。ル・マンの最速タイム保持者である可夢偉は、ワンアタックで1分35秒992というシルバーストンの新レコードタイムを記録。コンウェイとの平均ラップを1分36秒015とし、7号車組にとってシルバーストンで3シーズン連続となるポールポジションを獲得してみせた。
「ポールポジションを獲得でき、とてもうれしいよ。満足のいくアタックラップだったが、13コーナーで僅かにタイムをロスしてしまった」と予選を振り返るのは、母国ラウンドで見事ポールシッターとなったコンウェイ。
「しかしながら、ポールポジション獲得には充分なタイムだったよ。(ライバルの)レベリオンがどこまで迫ってきているのか分からなかったが、彼らは特にセクター2と3で速く、明日の決勝レースは接戦になるだろう」
「新たなコースレコードを記録した可夢偉と、夜を徹してまったく新しい車両へ仕上げてくれたチームには明日の決勝レースで報いたいと思う」
コンウェイのコメントにもあるように、7号車は練習走行日から予選日にかけてモノコックの交換が行われている。これは30日に行われたフリープラクティス2回目の終盤、7号車トヨタTS050ハイブリッドがモノコックにダメージを負ってしまったことが原因。そのため、チームは夜通しでシャシーの交換作業を余儀なくされていたのだ。
「まず夜を徹したハードワークで車両を修復してくれたチームに感謝します」とは可夢偉の言葉だ。
「昨日の公式練習2回目でわずかな接触があり、それ自体は大きなダメージではなかったのですが、縁石を乗り越える際に車体にダメージを負ってしまいました。昨晩のチームの素晴らしい仕事に、本当に感謝しています」
「予選ラップはとても上手く走れ、パフォーマンスを最大限に引き出すことができました。クルマの感触は本当に素晴らしく、ロングランのペースも良いので明日の決勝レースでも自信があります」