10月4日に開幕した2019/20年のWEC世界耐久選手権第2戦富士。11時~12時30分まで行われたフリープラクティス1回目終了後には、各クラスの代表ドライバーが登壇する記者会見が行われた。このカンファレンスには地元小学校の生徒たちも訪れ、ドライバーたちにさまざまな質問を投げかけた。
金曜日の記者会見にはLMP1クラスを戦う中嶋一貴と小林可夢偉のほか、LMP2クラスの山下健太、LM-GTEプロクラスのケビン・エストルとミゲール・モリーナ、LM-GTEアマクラスのケイ・コッツォリーノが登壇した。
2018/19年のWECシリーズチャンピオンに輝き、ワールドチャンピオンとしての凱旋レースに臨む一貴は「2020年のクルマ(ハイパーカー)は今年のマシンより遅くなると思うので、今のLMP1マシンを楽しみたいですね」と週末への意気込みを明かした。
「サクセス・ハンディキャップの影響もあって、(フリープラクティス1回目を終えた時点では)マシンのシステムなどは期待どおりに動作してくれていません。僕たちにとっては新たな挑戦であり、システムを調整する必要がありますけど、いいレースをお見せしたいと思っています。もちろん目標は優勝です」
チームメイトの可夢偉がドライブする7号車トヨタTS050ハイブリッドも、サクセス・ハンディキャップの影響を受けており、可夢偉は「ハンディキャップはチームメイト(8号車トヨタ)より(1周あたり)0.4秒程度遅くなるよう設定されていますが、フリープラクティス1回目を終えてデータをチェックしたところ、それ以上のギャップがありました」とコメントした。
「サクセス・ハンディキャップ制が導入されるのは、この第2戦が初めてです。ハンディキャップはハイブリッドシステムにも影響していて、苦戦を強いられています」
「使用できるガソリン量なども制限されるので、充分なパワーを引き出せません。そのままコーナーへ飛び込むので、(エネルギー)回生量もいつもどおりではないんです。チームメイトと比べて、課されたハンディキャップが大きく効いていますね」
LMP2クラスを戦うハイクラス・レーシングの一員としてシリーズに初参戦している山下は、これが初めての金曜記者会見出席。質疑応答はすべて英語で行われるが、7月の段階で自身のコミュニケーションレベルを「スーパーカタコト英語」としていた山下はゆっくりとした口調で「世界選手権であるWECに関わることができて本当にうれしいです。まだ英語には不慣れですけど、チームのスタッフたちは優しく受け入れてくれています」と応じていた。