WEC世界耐久選手権に参戦しているガルフ・レーシングは2019/2020年シーズン第2戦富士から“ガルフカラー”に変わる新たなカラーリングを採用したが、同チームのオーナー兼ドライバーであるマイケル・ウェインライトがその背景を語った。
ウェインライト、アンドリュー・ワトソン、ベンジャミン・バーカーという3人のイギリス人ドライバーでトリオを組むガルフ・レーシングは2018/19年“スーパーシーズン”に続き、今季も86号車ポルシェ911 RSRを使用してLM-GTE Amクラスに参戦しているポルシェのカスタマーチームだ。
その名のとおり、オイルメーカー『ガルフ』のスポンサードを受けていたチームはこれまで、ガルフの伝統的なカラーリングをまとったポルシェ911 RSRでシリーズを戦ってきた。
しかし、10月4~6日に富士スピードウェイで行われた第2戦富士にはオイルメーカーのロゴが消え、ベースカラーもブラックに変更されるなど従来とまったく異なるカラーリングのマシンが登場。このお披露目の際、チームはニューリバリーを「2019/2020年WECにおける新しい方向性を示すもの」としていた。
今回のデザイン変更はそんなガルフ・レーシングと、ガルフオイルのサポンサーシップが突然終了したことを反映している。だが、ガルフ・レーシングというチーム名称は今後も継続される。これはWECのルールがエントリー時に登録されたチーム名の変更を許していないためだ。
ガルフ・レーシングのドライバーでオーナーでもあるウェインライトは、チームメイトのワトソン、バーカーとともに富士でこのブラックリバリーのポルシェを走らせたが、カラーリング変更に至るまでの背景を次のように説明している。
「僕が接触したガルフの人間は元国際副社長のフランク・ラッテンだ。彼は最近、ガルフを退職して別の仕事に移っている」
「その彼に代わる新しい人がやってきて、ガルフがル・マン24時間レースのある分野に行きたがったていることを聞いた」
「ガルフが何かをしてくるのであれば、それはかなり支配的だ。彼らの言う他のなにかは我々にとっては意味がないと主張した。僕たちは彼らと違う方向に進みたいと考えているからね」
「それは難しい感情ではないよ。お互いがただ、何か違うことをしたいと考えているだけなんだ」
富士で初披露されたブラックとオレンジラインの新カラーリングは開幕戦シルバーストン4時間レースの直後に、チームによって急遽設計されたものだ。なお、ガルフカラーで戦った開幕戦シルバーストンでもガルフからの支援はなかったという。