10月15日、ウェザーテック・スポーツカー選手権やミシュラン・パイロット・チャレンジなど、アメリカを中心に開催されているスポーツカーシリーズを展開するIMSA国際モータースポーツ協会は、2019年限りで引退するスコット・アサートン社長の後任にジョン・ドゥーナン氏を指名した。
アサートン氏の後継者に決定したドゥーナン氏はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスに参戦しているマツダチーム・ヨーストのボスであり、マツダモータースポーツのディレクターを務める人物だ。
かつて、北米マツダの地域広告マネージャーだった氏は、2005年に日本車メーカーのモータースポーツ活動に参加。最初はモータースポーツ活動とチーム開発マネージャーとして、2011年からはモータースポーツ担当ディレクターに昇進し現在に至っている。
そんなドゥーナン氏の新社長任命は、今シーズン、悲願の初優勝から怒涛の3連勝を飾ったDPiチームの運営をはじめ、オープンホイールレース、草の根レース活動などマツダの北米モータースポーツプログラムを率い、これを成功させた在職期間の後に行われている。
現在49歳で、アメリカ・イリノイ州出身の彼は、スポーツカーレースのパドックにおいてもっとも情熱的で、尊敬されるモータースポーツ界の重役のひとりとして広く認められている。そんな氏は2020年1月1日付けでIMSAの新社長に就任するが、初仕事は今月21日になる予定だ。
「ジョン(・ドゥーナン)を次期社長に任命したことは、50周年の記念すべきシーズンを終えたばかりのシリーズを、さらに次のレベルに引き上げるための素晴らしい選択だ」と語るのは、IMSAのエド・ベネットCEO。
「彼は尊敬されており、パドックではよく知られていて、モータースポーツに対する強い情熱を持っている。きっと関係者全員に大きな利益をもたらすだろう」
アサートン氏の後を継ぐことになったドゥーナン氏は「幼い頃からIMSAのレースに親しんできた私にとって、これは一生に一度のまさに夢のような機会だよ」とコメント。
「IMSAチームの一員になる機会を得たことを大変光栄に思っており、今後私たちのスポーツ、パートナー、業界に良い影響を与えることを本当に楽しみにしているんだ」
なお、現時点ではマツダからドゥーナン氏の交代人事についての発表はなされていない。この日本メーカーは先日、『マツダ3 TCR』をワールドプレミアし、2020年のTCRレースへの関与を強めるというアナウンスを行っている。
一方、20年にわたってIMSAのエグゼクティブチームに加わり、2019年限りで社長職を辞するアサートン氏は、既報のとおりIMSAの取締役会に留まり、今後もル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブとのリンクを維持することに注力する。