12月7日、ドイツ・ヴァイザッハで開催された『ナイト・オブ・チャンピオンズ』にあわせ、ポルシェが2020年のモータースポーツ活動計画を発表した。2020年は総勢18名のワークスドライバーとして起用するほか、ティモ・ベルンハルト、ヨルグ・ベルグマイスターがワークスドライバーの立場から離れることが明かされた。
ポルシェが戦った1年間のモータースポーツを総括するイベントのナイト・オブ・チャンピオンズ。例年、このタイミングに合わせて次シーズンに向けた活動方針などもアナウンスされる。
2020年シーズン、ポルシェはGTカーレースとフォーミュラEのふたつを軸に活動。両カテゴリーを戦うため、18名をワークスドライバーとして起用する。また2名のヤングプロフェッショナルズ、2名のポルシェジュニアも起用した。
新たにポルシェワークスドライバーへ仲間入りしたのは24歳のマット・キャンベルと25歳のマシュー・ジャミネット。ふたりはポルシェの若手育成プログラムに参加しており、晴れてのワークスドライバー昇格となる。
そして、この昇格に合わせるかのように2度のル・マンウイナーでチャンピオン経験者のベルンハルトとブレンドン・ハートレー、“ミスター911”として知られるベルグマイスターの3名がポルシェワークスドライバーを離れることもアナウンスされた。
ポルシェとベルンハルト、ベルグマイスターの関係は20年以上に渡るもの。2020年はワークスドライバーとしての活動は行わないがブランドアンバサダーとして活動して、ポルシェを支えていく。
ハートレーは、直近ではポルシェのフォーミュラE用マシンである99Xエレクトリックの開発に従事してきた。2019/20年からはトヨタの一員としてWECを戦っており、今後はポルシェとは完全に独立した形で活動することになる。
具体的な参戦カテゴリーについて、すでにシーズン6が開幕しているフォーミュラEにはニール・ジャニとアンドレ・ロッテラーがワークスドライバーとして参戦。テスト兼開発ドライバーはシモーナ・デ・シルベストロとトーマス・プレイニングが務める。
シルベストロとプレイニングはフォーミュラEでの役目に加え、GTレースにも参戦する予定で、シルベストロはドイツのADAC GTマスターズ、プレイニングはIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジやブランパンGT耐久シリーズを戦うほかWECのデンプシー・プロトンもサポートする。
またポルシェはGTレースでの“攻撃的な”姿勢を崩さないとしており、第88回大会となる2020年ル・マン24時間に計4台のワークスマシンを投じる。4台の2019年型ポルシェ911 RSRは、WEC世界耐久選手権と北米IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの混成チームがオペレートする。
この2019年型ポルシェ911 RSRは、WECに先行して投じられ、2019/20年の第1~3戦のうち2戦でクラスワン・ツーを飾るパフォーマンスを発揮しており、2020年1月25日決勝のIMSA第1戦デイトナ24時間で北米デビュー。911号車、912号車の2台体制でシリーズ全戦を戦う。
このうち911号車はニック・タンディとフレデリック・マコウィッキがマシンをシェア。長距離レースとなるデイトナ、セブリング、プチル・マンではキャンベルが第3ドライバーとして加わる。
912号車はアール・バンバーとローレンス・ファントールがドライブ。第3ドライバーにはジャミネットが加わる。
そのほかポルシェは、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジやブランパンGTシリーズにも参戦するとともに、カスタマーチームに対しワークスドライバーやエンジニアの派遣、サーキットでのコンサルティング支援などを行っていく。