WEC世界耐久選手権は3月18~20日にアメリカ、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われる、2019/2020年シーズン第6戦セブリング1000マイルの暫定エントリーリストを発表した。4クラス合計30台が出走予定の今イベントに向けては、コルベット・レーシングの新型シボレー・コルベットC8.Rの1台がLM-GTE Proクラスに名を連ねている。
今月初めに報じられたように、プラット・アンド・ミラーが運営するコルベット・レーシングはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とのダブルヘッダーイベントとなる“スーパーセブリング”で、両シリーズにパート参戦する予定だ。
シボレーブランドを代表するチームは2019年大会と同様に、ル・マン24時間レースではお馴染みのゼッケン『63』をつけたマシンを投入する。しかし、今季のエントリーは先代のC7.Rに代わって、ミッドシップ化が行われた新型マシン、コルベットC8.Rに置き換えられている。
このクルマは先日、1月25~26日にアメリカで行われたデイトナ24時間でレースデビューを飾っており、WECには既報のとおり2月22~23日にアメリカ・テキサス州のオースティンで開催される2019/20年シーズン第5戦ローン・スター・ル・マンで初参戦することが決定済みだ。
新型コルベットのスポット参戦によってポルシェとフェラーリ、アストンマーティンが各2台ずつワークスマシンを投入しているLM-GTE Proクラスでは、2戦続けて計7台での争いが展開されることになる。
■フォーミュラEと日程重複。WECを欠場するドライバーも
セブリングの週末はABBフォーミュラE選手権の2019/20年シーズン第6戦三亜E-Prixと日程がバッティングしている。そのため、両シリーズに参戦しているドライバーは難しい判断を強いられている。
このなかでWECが優先されることが明らかになっているのは、TOYOTA GAZOO Racingのブレンドン・ハートレー(ジェオックス・ドラゴン)とセバスチャン・ブエミ(ニッサン・e.ダムス)、GTE ProクラスでAFコルセのフェラーリをドライブするジェームス・カラド(パナソニック・ジャガー・レーシング)の3名だ。
また、暫定エントリーリストにはパナソニック・ジャガー・レーシングのリザーブドライバーを務めるアレックス・リンもアストンマーティン・レーシングの97号車アストンマーティン・バンテージAMRのドライバーとして名を連ねた。
一方、LMP2クラスを戦うニック・デ・フリース(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)とアントニオ・フェリックス・デ・ダコスタ(DSテチーター)はフル電動フォーミュラカーシリーズを優先し、セブリングラウンドを欠場することになっている。
ダ・コスタが所属するイオタは現在までに代役を明らかにしていないが、デ・フリースを擁すレーシングチーム・ネーデルランドではヨブ・バン・ウイタートをFIA-F2王者の代打として起用する予定だ。
なお、LMP2クラスでは42号車オレカ07・ギブソンを走らせていたクール・レーシングがエントリーリストから外れており、セブリングにおける同クラスは計7台での争いとなる。1増1減となるWEC第6戦セブリング1000マイルの出場台数は全4クラス合計30台となる見込みだ。