フェラーリはWEC世界耐久選手権の2019/2020年シーズン最終戦、ル・マン24時間レースでのGTE Proクラスドライバーのラインアップを設定し、同じ布陣で同第6戦セブリング1000マイルを戦うことを明らかにした。
ふたつのロングディスタンスレースでラインアップに加わるのは、サム・バードと、ダニエル・セラのふたりだ。
ABBフォーミュラE選手権にエンビジョン・ヴァージン・レーシングから参戦しているイギリス人ドライバーは両方のレースで、ミゲル・モリーナと元チームメイトのダビデ・リゴンと71号車フェラーリ488 GTE Evoをシェアする。
バードは今季、フォーミュラEとWECの両シリーズで複数のイベント日程が衝突することからAFコルセのシートを失っていた。
しかし、第7戦スパ6時間レースはWECの日程調整によってこのバッティングを回避。セブリングと重複する予定だった三亜E-Prixも新型コロナウイルスの流行によって開催がキャンセルとなっている。
2019年のル・マンで自身2度目のクラスウイナーとなったセラはジェームス・カラド、アレッサンドロ・ピエール・グイディと優勝トリオを再結成。51号車フェラーリ488 GTE Evoでル・マン連覇に挑む。
フェラーリは8時間で争われたWEC第4戦バーレーンと、ル・マンの前哨戦である第7戦スパ6時間は各車2名での参戦とするものの、セブリングでは2年連続で追加ドライバーを招聘することを決定した。この結果、バードが1000マイルレースでAFコルセのマシンをドライブできるようになった。
なお、三亜E-Prixの開催が保留される以前、イタリアのブランドは71号車は2名、51号車のみ3名体制でセブリングに臨むことを計画していたという。
フェラーリのGTレーシング・ディビジョンを指揮するアントネッロ・コレッタは、バードの起用に関しては複雑な取り巻きがあるが、彼が「ファミリーの一員」であることに変わりはないと説明した。
「前回のル・マンと次のル・マンで、ドライバーは同じ顔ぶれになるだろう」とコレッタ。
「幸いにもフォーミュラEとバッティングしていない。我々はサムをふたたび迎えることができるのをとてもうれしく思う」
「サムはフェラーリのドライバーだ。しかし、これまでとは関与の仕方は異なっている。彼はWECでフェラーリに在籍しているが、限られたレースにしか出場できなくなった」
「我々は彼と明確な話し合いを行い、彼は状況を理解した。フォーミュラEがカレンダーを変更した後、今シーズン中の日程重複がなくなった今でもそれは変わらない」
また、コレッタはフェラーリがセブリングとル・マン後に、バードを追加招集する計画を立てていないことを認めた。
バードは昨年のスパ24時間レースで、カラドとピエール・グイディとともにフェラーリ488 GT3をドライブした。しかし、2020年のスパ24時間はロンドンE-Prixとスケジュールが重なっている。