2月11日、ポルシェは6月13~14日にフランス、サルト・サーキットで行われる2019/2020年シーズンのWEC世界耐久選手権最終戦ル・マン24時間レースで、合計4台のポルシェ911 RSRをLM-GTE Proクラスにエントリーさせると発表した。
ドイツの名門ブランドは同時に各車のドライバーラインアップを明らかにし、WECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にフルシーズンエントリーしている8人のワークスドライバー全員と、追加招聘ドライバーからなる同戦の布陣を確定させた。
この内、WECにフル参戦している2台の911 RSRは3年連続で同じドライバートリオが組まれることが決定。IMSAシリーズを戦うローレンス・ファントールと、フレデリック・マコウィッキが第3ドライバーとしてWEC組に加わる。
ファントールがケビン・エストレ、ミハエル・クリステンセンと92号車をシェアすることで、2018年大会のクラス優勝トリオが再結成される。また、マコウィッキもふたたびジャンマリア・ブルーニ、リヒャルト・リエツと組んで91号車をドライブする予定だ。
一方、コア・オートスポーツが走らせるIMSAチームの2台では、それぞれのクルマのドライバーラインアップが大幅に変更されている。
2015年にル・マン総合優勝ドライバーとなったアール・バンバーとニック・タンディは通常、それぞれ異なるクルマをドライブしているが、今季のル・マンでは93号車をシェアすることに。第3ドライバーには、1月末に行われたデイトナ24時間でタンディ、マコウィッキとともに戦ったマット・キャンベルが起用された。
また、94号車ではベテランドライバーのパトリック・ピレと、新進気鋭のジュリアン・アンドロウアー、2020年にワークスドライバーに加わったマシュー・ジャミネットの3名がまったく新しいトリオを結成した。
ジャミネットと、ヤングプロフェッショナルドライバーであるアンドロウアーの両名はそれぞれのキャリアの初期にピレから指導を受けており、同車の新トリオは“師弟関係”“オールフランス人”という特別な関係を持つ布陣でのル・マン参戦となる。
「ル・マンのGTE Proカテゴリーにふたたび4台のワークスドライバーを投じることは、ポルシェにとってこのクラシックレースがいかに重要であるのかを示している」と語るのは、ポルシェモータースポーツのフリッツ・エンジンガー副社長。
「WECチームとIMSAからやってくるチームはともにスタート時点から多くの専門知識を持ち合わせている。また経験豊富なドライバーと、若いドライバーのバランスもよく取れていると考えている」
「我々は当然、優勝を目指しているが、このような長距離レースでは驚くべきことが数多く起きることを経験上よく知っている」
GTファクトリーモータースポーツを率いるパスカル・ズーリンデンは次のように付け加えた。
「私たちは強いクルマと、速く経験豊富なドライバーでル・マンに臨む。この強力なパッケージで勝利を目指すつもりだ」
「WECとIMSAのGTチームは非常に相性がよいと考えている。すべてのドライバーはサーキットを熟知しており、24時間レースで何をすべきかを知っている」
LM-GTE Proクラスを戦うアストンマーティンとフェラーリに続き、ポルシェの参戦体制が明らかになった2020年のル・マン24時間。世界3大レースのひとつに数えられる同イベントのエントリーリストは2月28日に公開される予定だ。