レーシングチーム・ネダーランドのオーナー兼ドライバーであるフリッツ・バン・イアードは、チームが2021年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に転向する可能性があり、WEC世界耐久選手権の2019／20年シーズン終了後、北米シリーズにデビューすることも不可能ではないと語った。
WECの2018／19年シーズンからLMP2クラスにフル参戦しているオランダのチームは、2020年規定でLMP2チームに1名以上のブロンズドライバーの起用を義務付けているIMSAの動きに注目している。
現在、WECのスポーティングレギュレーションでは、LMP2チームは1台につき1名以上のシルバー又はブロンズドライバーを搭乗させなければならないと定められている。そのため、必然的にプラチナ／ゴールド／シルバーのドライバーを1名ずつ起用するチームが高い競争力を持つことになる。
そんななか、レーシングチーム・ネダーランドは今季第2戦の富士6時間レースで初優勝。バン・イアードはこれまでのWEC LMP2において、初めて表彰台の頂点に登ったブロンズドライバーとなった。
そんな彼はSportscar365に対し、シリーズ転向を検討する理由が「資金の問題ではなく、選手権の問題」であると語った。
「（来年の活動について）私が（道筋を）知らない主な理由は、WECのブロンズドライバーに関する規則（の議論）のせいだ。私が思うに、彼らは皆と友達でいたいと考えているんだろう」とバン・イアード。
「だが、私に言わせればシルバードライバーと、ブロンズドライバーを同じカテゴリーに入れるのは完全にばかげている。（ブロンズランクである）私はいつも非常に不利な立場に置かれている。なぜそれを受け入れなければならないのだろうか」
「一方で、すべてのチームがブロンズドライバーを必要とすることになった場合、いくつかのチームは居なくなるだろう。彼ら（シリーズ）からすれば、いくつかのチームを失うことになる」
「しかし、彼らは何をすべきか何をすべきではないかについて、まったく一貫性がなかった」
「私たちは途中で立ち往生していて、それは気分がよいものではない」
マックス・フェルスタッペンなど多くのオランダ人ドライバーを支援しているスーパーマーケットチェーン『ユンボ（JUMBO）』のオーナーであるバン・イアードは、ジェントルマンドライバーとして最高のチャンスがある場所があれば喜んでレースをすると述べた。
「我々はWEC（に残ること）を検討している。だが、同時にIMSAシリーズへのフルシーズン・エントリーも検討しているんだ」
「私の考えではWECのグリッドに5、6台しかクルマが居ないのであればシリーズに留まることはない」
「自分にとってもっとも都合がよく、競争力のあるチャンピオンシップに出場したい」
■WEC残留とIMSA転向は「50／50」
DPiの下にLMP2クラスが置かれるウェザーテック・スポーツカー選手権では2020年規定の発表以来、大幅に同クラスへの参加者が増えており現時点で少なくとも5台のクルマが来シーズンに向けて準備されている。
そのなかにはデイトナ24時間を制したドラゴンスピードと、タワー・モータースポーツ・バイ・スターワークスからのエントリーが含まれる。ふたつのチームはブロンズランクのオーナードライバーであるヘンリク・ヘドマンと、ジョン・ファラノの下で北米シリーズにコミットされた。
オランダチームのボスは現在、「50／50（フィフティ・フィフティ）」の確率でIMSAへの移行する可能性を示しているが、その詳細は今後数週間の内に明らかになる予定だ。
「セブリングで、より多くのことを知ることになるだろう」とバン・イアード。
「今からセブリングまでに、すべての数字をテーブルに並べ計画を立てていく」
WECのシーズン終了後、IMSAのイベントにスポット参戦するという選択肢が手元のカードに含まれるかどうか尋ねられたとき、オランダ人は「そう思う。ああ、そうだ。試してみるためにね」と答えた。
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