シグナテック・アルピーヌとしてWEC世界耐久選手権に参戦しているシグナテックのボス、フィリップ・シノーは、パートナーブランドのアルピーヌが“LMDh”クラスに参入した場合、チームがプロトタイプレースの最高峰カテゴリーに戻るチャンスがあると述べた。
フランスのレーシングチームであるシグナテックは、2013年からアルピーヌのプロトタイプ・プログラムの運営を担当。このコラボレーションはル・マン24時間レースを3度制し、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでは2度の王者、WECでもLMP2タイトルを獲得している。
過去6年間、このフランスチームは、自動車メーカーがLMP2シャシーを選択購入して独自のスタイリングに架装するLMDhの哲学に似た戦術を用い、アルピーヌとしてブランドが変更されたオレカ製LMP2カーを選手権に投じてきた。
そんなシグナテックが前回、スポーツカーのトップカテゴリーに参加したのは2011年のこと。その年のル・マン24時間でローラ・アストンマーティンのLMP1マシンを走らせたのが最後だ。
「何年もの間、私たちは(IMSAシリーズの最高峰カテゴリーである)DPiと、より強固な関係を結ぶことを検討しそれを構築することを強く求めてきた。そのため我々にとっては良いことだ」とシノーはSportscar365に語った。
「LMDhの誕生は良いアナウンスだった。なぜならLMDル・マン・ハイパーカーはすべてを変更することから、あらゆる項目において少なからずトラブルを抱えているからだ。その点に多くの人が疑問を持っている」
「私たちもハイパーカーを検討する必要があるが、(現状では)多くのメーカーとチームにとってはLMDhの方が興味深いものになっているようだ」
シノーによれば、LMDhの概念は2017年に設定された現行LMP2規定の開始以来、シグナテックとアルピーヌが推進してきたものに合致するという。
これはIMSAのDPiプラットフォームの基礎を形成するのに役立ったと考えられ、ひいては事実上のDPi後継規定でACOフランス西部自動車クラブとIMSAの両シリーズに認可されたLMDhの誕生に影響を与えたともいえる。