FIA国際自動車連盟は3月6日、スイス・ジュネーブで行われた2020年最初のWMSC世界モータースポーツ評議会で、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の間で合意された統合プラットフォーム大綱を承認した。あわせて2020/2021年シーズンのWECレースカレンダーも確認されている。
6日に開催されたWMSCにおいてFIAの承認が得られたのは、2020/21年シーズンからWECに導入されるLMHル・マン・ハイパーカーと、今年1月にACOフランス西部自動車クラブと北米のIMSAの合意の下で発表されたLMDhによる新しいプロトタイプ・プラットフォームの一般原則。2021/22年シーズン以降のWECで最高峰カテゴリーとなる新規則だ。
FIAの声明によると「このプラットフォームは、LMHを含む既存のWEC技術規則を維持する」とされ、その規則下において「LMHとLMDhのクルマは“唯一無二”のユニークなWECのトップカテゴリーにまとめられる。LMDhカーは新しい(LMP2)シャシーをベースとし、このクルマがWECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両トップラクスに属する」と明示されている。
また、FIAは2種類のクルマのパワーとエアロダイナミクス、車両重量を新しいプラットフォームのなかで調整し、双方のプロトタイプカーが同じパフォーマンス・ウインドウ内で競争できることを保証すると述べた。
この調整を行うにあたっては、LMHの技術規則が若干変更される可能性があると考えられる。これについては2020/21年のWEC開幕戦シルバーストンで明らかになる予定だ。
なお、LMDhの技術的な車両規則に関しては3月18~21日にアメリカ、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される“スーパーセブリング”のイベント会期中に、ACOとIMSAからアナウンスが行われる予定となっている。
Sportscar365は2月にテキサス州オースティンで行われたWEC第5戦ローン・スター・ル・マンに続いて、フロリダにあるIMSA本部でテクニカルワーキンググループの会合があったことを確認しており、これが成功裏に終わったことを理解している。
■ハイパーカー元年のスケジュールが承認
今回のWMSCではこの他、LMH元年となる2020/21年シーズンのWECレーススケジュールが正式に承認された。
このスケジュールは、昨年12月のWECバーレーンで発表された暫定カレンダーから変更はなく、イタリア・モンツァ、南アフリカ・キャラミというふたつの新たな開催地を含む合計8ラウンドが予定されている。
■WEC 2020/2021年シーズンカレンダー
Round | Date | Country | Event |
---|---|---|---|
1 | 2020年9月5日 | イギリス | シルバーストン6時間 |
2 | 2020年10月4日 | イタリア | モンツァ6時間 |
3 | 2020年11月1日 | 日本 | 富士6時間 |
4 | 2020年12月5日 | バーレーン | バーレーン8時間 |
5 | 2021年2月6日 | 南アフリカ | キャラミ6時間 |
6 | 2021年3月19日 | アメリカ | セブリング1000マイル(最大8時間) |
7 | 2021年4月24日 | ベルギー | スパ・フランコルシャン6時間 |
8 | 2021年6月12~13日 | フランス | ル・マン24時間 |