レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.03.18 11:02
更新日: 2020.03.18 11:27

2020年のニュルブルクリンク24時間レースは新型コロナウイルスの影響で9月に延期

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ル・マン/WEC | 2020年のニュルブルクリンク24時間レースは新型コロナウイルスの影響で9月に延期

 例年5〜6月に開催されている第48回ADAC・トタル24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)の主催者は3月17日、2020年の24時間レースの開催日程を9月24〜27日に変更し、4月25〜26日に開催予定だった予選レースを中止とすることを発表した。

 世界中の自動車メーカーもテストコースとして使用する、屈指の難コースであるニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)とグランプリコースを組み合わた舞台で争われ、地元ドイツはもちろん日本やイギリスなどから、多くのメーカーが挑戦しているニュルブルクリンク24時間。例年、5〜6月のキリスト教の昇天祭の祝日にあわせて開催されてきた。

 しかし、ヨーロッパで拡大する新型コロナウイルスの影響で、2020年のレースは9月24〜27日に日程が変更されることになった。約50年の歴史のなかで24時間レースの開催日が変更されることは非常に珍しいが、『中止』ではなく『延期』となったことで、ドイツ国内で関係者やファンはある意味で安堵しているようだ。

 ADACノルトライン代表のペーター・マイヤーは、例年ニュルブルクリンク24時間の前に開催されるニュルブルクリンク耐久シリーズ(VLN)が中止になったことで、参加車両の適切なBoP(性能調整)が取得できないことや、ドライバーがノルドシュライフェ専用ライセンス(DPN)を取得できないことも理由としている。

 また、マイヤーは「ニュルブルクリンクで最大級のイベントを開催する主催者として、リンク周辺の地域との長年の関係も感じている」と述べた。

「だからこそ、ADACノルトラインに多額の支出があるが、9月の24時間レースを完了するために可能な限りのことをしたい。現在の新型コロナウイルスから来る危機は、当然アイフェル(ニュルブルクリンクがある地域)にも及ぶだろう」

 マイヤーは、「ADAC・トタル24時間レースのパートナーとともに、その緩和に少しでも貢献できることを願っている」と周辺の宿泊施設や商店等、ニュル24時間を支える数多くの人々やパートナーたちの経済的損失を極力減らすためにも、『中止』ではなく、『延期』という形で開催の決定をした理由を述べている。

 また、マイヤーは「現段階では9月にレースができることを楽観視しているが、影響を与える要因は数多くある。今の状況を緩和し、ノルドシュライフェでのモータースポーツの未来を確保するために、イベントのすべてのパートナーの必要な協力を期待している」と語った。

 VLN1とVLN2が中止になったことで、初参戦するドライバーはライセンスを取得するチャンスが失われていたが、24時間レースが9月になったことで、ふたたびチャンスが生まれてきた。なお変更後の日程では、多くのメーカー系ドライバーが起用されると予想されるDTMドイツ・ツーリングカー選手権とADAC GTマスターズは日程が重なっていないが、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのハンガロリンクとはバッティングしている。

 また、全日本スーパーフォーミュラ選手権の岡山戦の日程が重なっている。今季参戦予定のTOYOTA GAZOO RacingのレクサスLCには石浦宏明と大嶋和也が乗り込む予定だが、影響が出るかもしれない。


関連のニュース