WEC世界耐久選手権のCEOを務めるジェラール・ヌーブは、LMHル・マン・ハイパーカーのデビューが2021年3月に遅れることで、参入を目指すメーカーにとってプラスになる公算が大きいと述べた。
シリーズは当初、2020年9月にLMHをデビューさせる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、現在の2019/2020年シーズン(シーズン8)を6カ月延長することを決定した。これにより新規定車の登場は2021年3月まで延期されることになっている。
ヌーブは最近Endurance-Infoに対し、WECが行ったスケジュールの見直しは新車開発への時間的プレッシャーに直面しているLMHメーカーにとって役立つ可能性があると語った。
その一方、彼は新しいプラットフォームである“LMDh”がWECに入ってくる1年前であっても、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiマシンによって世界選手権のグリッドを強化する必要はないと考えている。
このグリッドには現在、トヨタとスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)が新しいマシンを置くことを目指しているが、これ以外に何台のマシンがトップクラスに参加するのかは不明なままだ。
「来シーズン(シーズン9)は、LMHがWECの新しいトップカテゴリーになることを歓迎することになるだろう」と語ったヌーブ。
「シーズン9の開始が2021年3月まで延期されたことと、単年で開催される伝統的なシーズンに戻るという事実は、LMHで競争しようと計画している、いくつかのメーカーに利益をもたらすだろう」
「IMSAのDPiメーカーがWECでレースをしたいという意向を表明していないのと同じように、我々もDPiマシンがWECのカテゴリーで他のマシンと競争することになるとは考えていない」
「両シリーズの橋渡しを担うLMDHカーに関する議論は(ル・マン24時間を主催する)ACOフランス西部自動車クラブとIMSAの間で、定期的かつ非常に前向きに続けられている」
「2022年以降に目にすることになる、この新しいプラットフォームの規則はほぼ完成しており近い将来、これについて多くのことを耳にすることになるだろう」