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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.05.12 14:59
更新日: 2020.05.12 16:11

WEC:ル・マン・ハイパーカーの出力が約115馬力削減。LMDhとの調整図る

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ル・マン/WEC | WEC:ル・マン・ハイパーカーの出力が約115馬力削減。LMDhとの調整図る

 FIA耐久委員会は5月11日、WEC世界耐久選手権2021年シーズンでのデビューが予定されているLMHル・マン・ハイパーカー規定の一部変更を発表。新規定車両の最高出力と重量を削減し先週、車両規定が明らかにされたLMDhル・マン・デイトナhのスペックと数値を一致させることをアナウンスした。

 現時点でトヨタとスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスの少なくとも2社が車両開発を行っているLMH規定では、これまでパワートレインの最高出力が585kW(約795ps)、車両最低重量は1100kgと定められていた。

 今回、この規定が改められ出力の最大値は約115ps減の500kW(約679ps)に。最低重量は従来より70kg軽い1030kgとなった。これによって2022年のWECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で総合優勝を争うように設定されたLMHとLMDh、両方のプロトタイプスポーツカーの出力と重量が共有されることになる。

 あわせてLMP2マシンがベースとなるLMDhカーの性能に合わせたエアロダイナミクスの調整も行われる本件実施の理由としては、ル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブと、北米スポーツカーシリーズを運営するIMSAによる車両規定の統合、およびコスト削減案が挙げられている。

「私たちは経済環境の変化を考慮し、自動車メーカーの努力をサポートするためにコスト削減策を採用する必要があった」と語るのは、FIA耐久委員会の会長を務めるリシャール・ミル。

「LMDhプラットフォームの基本的な詳細を概説するACO/IMSAの発表と、LMHカテゴリーの技術仕様を修正するFIA耐久委員会の決定により私たちは最終的な収束に向かっている」

「両方のプラットフォームが将来のWECトップカテゴリーを戦う資格を持つことは、技術的アプローチにおける多様性を高め、より多くの競争者を引き付けることができるだろう」

「これはル・マン・ハイパーカーカテゴリーにコミットしている自動車メーカー、FIA、ACOを含むすべての関係者が最初から取り組んできたことだ。耐久レースの未来にとって重要なステップなんだ」

SCG 007に搭載されるピポ・モチュール製V8エンジンのモデリング
SCG 007に搭載されるピポ・モチュール製V8エンジンのモデリング

 ACOのピエール・フィヨン会長は「我々とIMSAは規則統合のための強固な基盤を築き、WECとウェザーテック・スポーツカー選手権のレースを(同じクルマで)戦うことを可能にした」と述べた。

「LMDhとLMHは同様のパフォーマンスを確保するため、(BoPによる)集中的な性能調整によって管理されることになる」

「FIAとACOの技術チームは(新しい)LMH規則を適応させるために懸命に働き、その結果はメーカーに温かく歓迎されている」

「私たちは耐久レースの未来を築くために積極的にならなければならない。この発表は我々の分野に不可欠な建設的なコラボレーションのさらなる証拠であると考えているんだ」

1月のデイトナ24時間でサインを行うACOとIMSAの主要メンバー
1月のデイトナ24時間でサインを行うACOとIMSAの主要メンバー


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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