WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているジネッタは、スポーツカーレースへの関与を継続するという目標の一環として、2021年にデビューする予定のLMHル・マン・ハイパーカーのプラットフォームをOEMに供給するアイディアを模索している。
イギリスのメーカは現在、各ブランドが独自のパワートレインを搭載することができるLMHのベースとなるクルマを開発することについて、ふたつの潜在的なカスタマーと話し合っている。
ジネッタのローレンス・トムリンソン会長は、彼の会社がLMHをずっと評価してきたが現在はこの新しい規則にどう対処するかを検討しているところであるとSportscar365に語った。
プラットフォームをOEMに供給するというアイディアはIMSAのLMDhル・マン・デイトナhのコンセプトと似ているが、LMHではメーカーがパワートレインのエンジン部分だけでなく独自のハイブリッドシステムを開発することが可能。一方、LMDhはこの部分に同一スペックの電気モーターが採用され、各ブランドのエンジンと組み合わせる必要がある。
今年3月、トムリンソンが「LMDhコンストラクターグループに参加したい」とコメントしたことから、ジネッタはトップレベルのプロトタイプレースを続けることに意欲的であるとこがすでに知られており、これはLMHの探査と合わせた目標のひとつであると考えられている。
「独自のシャシーが必要な場合はLMHを使用する」と彼は説明した。
「我々はオレカベースのレベリオン(・レーシング)に対抗するクイックなLMP1シャシーを手に入れた。私たちは互角に戦ってきたし、最初の1年で彼らにかなり近づいている」
「だから、LMP1カーでやってきたこと、そこで得たすべてのものを使い、プロジェクトを2021年に終了するのではなく(LMP1が廃止された後の)スポーツカーへの投資をさらに進めることができる」
「そして、それが私たちがふたつのカスタマーに対して実現しようとしているものだ。LMHには競争力のあるパッケージがある。また、我々はLMP2カーベースの設計も用意しており、そちらを選択した場合は比較的早く(クルマを)ドロップできるため、LMDhまたはLMH、どちらも実行可能だ」
「私たちは主催者とカスタマー、双方にとって役立てるよう努めている」
ジネッタが対話をしているメーカーは明らかになっていないが、そのLMHプロトタイプ・プラットフォームのコンセプトはフェラーリの好みに近いように考えられる。彼らはLMDhに関心を示しているものの、同時に車両デザインの面でより多くの選択肢を求めている。
LMHコンストラクターであるスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)のジェームズ・グリッケンハウスは先週、既成のプラットフォームコンセプトでOEMを惹きつけるというジネッタと同様のアイディアをSportscar365に語った。
フェラーリはLMDhおよびLMH規則に関する最近の進展についてまだコメントをしていない。つまり、OEMが独自のハイパーカーをゼロから開発することを望むのか、それとも他社製プラットフォームの購入を開発のスタート地点とするのかは不明なままだ。