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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.06.05 12:30
更新日: 2020.06.05 12:31

ポルシェ、2020年限りでIMSAでのワークス活動終了。新型コロナによる経済的打撃の影響

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ル・マン/WEC | ポルシェ、2020年限りでIMSAでのワークス活動終了。新型コロナによる経済的打撃の影響

 ポルシェは6月4日、2020年末をもって、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権GTLMクラスでのワークス活動を終了することを発表した。その理由については新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う経済の悪化が要因とされている。

 ポルシェはコア・オートスポーツと協力体制を築いて、IMSAに参戦。2019年はドライバーズチャンピオン、チームチャンピオン、マニュファクチャラーズチャンピオンの3冠に輝いた。また2020年1月に行われたデイトナ24時間でもクラス2位に入る活躍をみせている。

 しかし、世界中で流行し、各国の経済にも大きな打撃を与えている新型コロナウイルスの影響で、計画の見直しを余儀なくされた結果、IMSAでのワークス活動を2020年限りで終了するとの決断に至ったという。

2020年のデイトナ24時間を戦ったポルシェ911 RSR
2020年のデイトナ24時間を戦ったポルシェ911 RSR

 ポルシェ・モータースポーツのフリッツ・エンツィンガー副社長は「2020年シーズンの終わりにIMSAでの活動を終了するという決断は、簡単なものではなかった」とコメントしている。

「ポルシェは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業のひとつであり、その状況を考慮すれば、経済的ダメージへの対応策としてポルシェ・モータースポーツとしての活動を見直すという手法は理にかなっている」

「我々は新型コロナウイルスの影響を受けたポルシェの全セクションと解決策について話し合いを重ねた。ジム・フランス(IMSA会長)をはじめとするIMSAの友人たちが理解を示してくれたことに感謝している」

「ポルシェにとって耐久レースは代名詞のようなものだ。このシリーズとの別れが一時的なものになるよう、我々は惜しみなく努力を続けていく」

 ポルシェモータースポーツのファクトリーチームを率いるパスカル・ズーリンデンは「アスリートとしてシリーズを戦っている我々にとって、このような結末は非常に辛いものだった。活動終了が決まる前に、コア・オートスポーツとその関係者と直接対面して説明できなかったことを非常に残念に思うが、状況を理解し、プロとして対応してくれたすべての関係者に感謝している」と述べている。

 そして、IMSAにおけるポルシェモータースポーツの活動を指揮してきたシュテフェン・ヘルバルトは「IMSAの2020年シーズンは7月に再開を迎えるので“ひっそりと”IMSAから姿を消すということはない」と述べ、2020年シーズンで有終の美を飾るべく挑む姿勢をみせた。

 ポルシェは2014年からGTLMクラスでワークス活動を展開しており、2015年と2019年にはマニファクチャラー、チーム、ドライバーの3冠を獲得するなど、数多くの成功を収めてきた。また同シリーズでの活躍は北米におけるポルシェのブランド価値向上やマーケティングにも影響を与えていたとみられる。

 GTLMクラスでのワークス活動は2020年限りで終了となるものの、プライベーターが参戦するGTDクラスや、ミシュラン・パイロット・チャレンジやGT3カップチャレンジUSAなどを戦うカスタマーチームへの支援は、ポルシェモータースポーツ・ノースアメリカやポルシェカーズ・ノースアメリカとの協力により継続されるという。

コア・オートスポーツが運営するポルシェGTチームは2014年から計3回マニュファクチャラーズタイトルを獲得。2019年シーズンを含む2度のチーム、ドライバーズ・シリーズチャンピオンとなった。
コア・オートスポーツが運営するポルシェGTチームは2014年から計3回マニュファクチャラーズタイトルを獲得。2019年シーズンを含む2度のチーム、ドライバーズ・シリーズチャンピオンとなった。
2020年限りでの撤退を発表したポルシェGTチームのポルシェ911 RSR
2020年限りでの撤退を発表したポルシェGTチームのポルシェ911 RSR


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